壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ39)

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134話ページ39

シャイロック「いずれこの世界が経験したことのない、最悪な二日酔いを起こさせますよ。」

シャイロックの話し声が聞こえたのか、誰かが彼をじろりと睨みつけている。

だが、シャイロックは気にしなかった。

そのうちに、アーサーがヴィンセントに歩み寄って礼儀正しく挨拶を始めた。

アーサー「ヴィンセント叔父上。ようこそお越しくださいました。」

ヴィンセント「例年通り、にぎやかでなによりだ。例年通りに＜大いなる厄災＞を撃退出来ず、多くの犠牲を出したというのに。」

アーサー「それは…」

ヴィンセント「わかっている。祝いの席だ。これ以上の言及はしない。」

アーサー「はい······。」

アーサーは深く頭を下げた。

ヴィンセントの代わりに、彼の斜め後ろに立った青年が口を開く。

シャイロックを睨みつけたヒトだ。

ニコラス「魔法科学省所属の特殊部隊。魔法科学兵団団長のニコラスと申します。」

アーサー「知っている。元騎士団隊長で西の国で魔法科学の技術を習得して、数か月前戻ってきたのだったな。」

ニコラス「お見知りおきいただいて光栄です。

我々、魔法科学兵団がいれば今後、賢者の魔法使いなど不要でしょう。」

ニコラスの言葉に、パーティー会場がざわめいた。
それはそうだ、賢者の魔法使いたちを敵に回したような発言なのだから。

Aの眉と口元がひくついた。