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☆*
そらるside
作業をしていると、大抵時間が経つのを忘れてしまう。
けれど深夜12時を回ってもAが帰ってきていないことには、さすがの俺でも気づいた。
...確か今日は飲み会かなんかだったはず。
_ピーンポーン_
変な男に捕まってないかとか心配を膨らませていると、チャイムが鳴った。
足早に廊下を駆け抜け、ドアを開ける。
そこには困った表情の友達に寄り掛かるAが。
Aは目を動かして俺を確認した瞬間、あろう事か飛びついてきた。
『わはー、そりゃるー』
「ちょ...A。すいませんありがとうございます...」
気まづく会釈をして、Aを抱えてとりあえず寝室へと運ぶ。
ベットに優しく寝かせると、キャッキャと楽しそうに笑い出すA。
『わーい、お姫様抱っこだったーそらるかっこいーっ』
「...いいからもう寝て」
ちゃんと帰ってきたし作業に戻るか...
寝室から出ようとした、その時。
寝ていたはずのAの体温に後ろから包まれる。
そのまま手を引っ張られ、気づけば俺の上にAが覆いかぶさっていた。
深く甘いキスをされる。
...いつもなら恥ずかしがって絶対しないのに。
『...いっちゃだめ』
『そらる、ほしい...』
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「その後の記憶は俺にもあんまない」
『...』
「...本当に何も覚えてないの?」
顔を真っ赤にして、小刻みに震えるA。
...覚えてないのは別にいいんだけど。
チラリと視線を向ければ、未だ痛そうに腰をさすっているから。
ちょっと、やりすぎたかも。
俺と少し間を空けて座っていたAに近づき軽く抱き寄せ、腰に手を重ねた。
『あっ、ありがとう...大丈夫。それとごめんなさい...』
何に謝っているのかよくわからないけど、覚えてないことなら特に怒ってはない。
「別にいいけど、1個だけ聞いて」
Aの顔を覗き込むと、何を言われるかと身構えている様子。
「...Aが積極的すぎると俺も止まんなくなるから...気をつけて」
『!?』
目の前の顔がまた一瞬で赤くなっていく。
...何その顔。本当、面白い。好き。
俺は少しだけ吹き出して笑った。
Aの少し乱れた黒髪をそっと撫でる。
こんな時間が何気なく好きだったりする。
...あ、やべ。作業してない。
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らいく(プロフ) - ぷりんりんりんさん!私のすごい好みです!更新頑張ってください(о´∀`о) (2018年9月24日 9時) (レス) id: b2d5596e4e (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんりんりん(プロフ) - しあ。さん» ありがとうございます〜!!私も読んでくださったしあさんが大好きです(´つヮ⊂`) (2018年9月13日 20時) (レス) id: dc44892b14 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - 伸びろ(願望) 有能な作者様が大好きだぁーー!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんりんりん(プロフ) - らててんさん» らて!!笑ありがとう〜キュンとさせる事ができたなら嬉しい〜がんばるね、、! (2018年9月11日 0時) (レス) id: dc44892b14 (このIDを非表示/違反報告)
らててん - うわあぁあ 、待ってなんなんだよこれ 、とてもいいぞ…不覚にもキュンとしてしまった… 。。。もっと伸びるべき作品だと思う、、ぷりん頑張って……!! (2018年9月10日 20時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷりんりんりん | 作成日時:2018年9月10日 16時