かまって。 ページ5
そらるside
「ねーねー」
『んー...ちょっと待って』
...それ、5分くらい前にも聞いたんだけど。
Aは現在進行形で通話をしながら友達とゲームをしているらしく、さっきから一向に俺の方を向いてくれない。
さっきまでは両耳イヤホンでしてたけど、今は俺の為に片耳は抜いてくれている。
それはいいけど、そのぶん俺の声がしっかり聞こえてるってこと。
俺より友達とゲームか!!!
ちょっぴり不機嫌なそらるさんなのである。
『あ、まって...え?見てた?今の...www』
そんな俺に背を向けて、さっきからずっと楽しそうなA。
...まぁ楽しそうで何よりなんだけどね。
そんな時、片方のイヤホンがぷらんと垂れているのを見て俺は良い事を思いついた。
Aのお腹辺りに手を回し、後ろから抱き締める。
そして軽く耳たぶにキスした。
瞬間、Aの身体がビクッと反応する。
『...っ!?そらるっ...!』
Aは驚いた顔でこっちを少し見たけど、友達にどうしたのか聞かれたのだろう。
すぐに焦った顔に変わり、『なんでもない』と愛想笑いを浮かべていた。
その間も、耳を執拗に攻め続ける。
ついには耳だけじゃ足りなくて、首筋にも舌を這わせた。
『〜〜〜〜〜んっ、ふ、ぁ』
...そんな可愛い声出すから、俺も止まんなくなるのに。
「俺の声聞くために、イヤホン取ったんでしょ?」
トドメのようにその耳元でいつもより低く囁けば、彼女はもう限界の様子。
『ごめん...ちょっと切るね...うん、またね』
そう言ってもう片方のイヤホンも外される。
『もー!そらる!そういうのだm』
Aがこっちを向いた瞬間、その言葉が言い終わらないうちに唇を塞ぐ。
途端Aの肩がピクりと反応するから。
んー、、可愛い。
しばらしくて、名残惜しくもゆっくり唇を離す。
そのキスで何を思ったか、途端にAがハッとした顔になった。
『もしかして...』
『...かまってほしかったの?』
「...は」
一瞬で顔が熱くなる。
見られたくなくて、思いっきりAの肩に顔を埋めた。
そんな俺をぎゅっと抱き締めて、控えめに頭を撫でてくれる。
やがて、ぽつりと呟いた。
「そうに決まってるだろ...気づけ、ばーか」
そう言って俺はAの事を離さなかった。
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らいく(プロフ) - ぷりんりんりんさん!私のすごい好みです!更新頑張ってください(о´∀`о) (2018年9月24日 9時) (レス) id: b2d5596e4e (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんりんりん(プロフ) - しあ。さん» ありがとうございます〜!!私も読んでくださったしあさんが大好きです(´つヮ⊂`) (2018年9月13日 20時) (レス) id: dc44892b14 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - 伸びろ(願望) 有能な作者様が大好きだぁーー!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんりんりん(プロフ) - らててんさん» らて!!笑ありがとう〜キュンとさせる事ができたなら嬉しい〜がんばるね、、! (2018年9月11日 0時) (レス) id: dc44892b14 (このIDを非表示/違反報告)
らててん - うわあぁあ 、待ってなんなんだよこれ 、とてもいいぞ…不覚にもキュンとしてしまった… 。。。もっと伸びるべき作品だと思う、、ぷりん頑張って……!! (2018年9月10日 20時) (レス) id: 112e01abc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷりんりんりん | 作成日時:2018年9月10日 16時