番外編3 ページ6
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your side
「ごちそうさまでした。」
「いえいえ！大したことが出来なくてごめんねー。」
「いえ、すごく嬉しかったです。ありがとうございました。」
「じゃあまた来週！」
「うん、バイバイ。」
出久の家を出て、自分の家へと帰る。クリスマスケーキなんて、今年は食べられないと思っていたから嬉しい。
出久のお母さんの優しさに、今日の嫌なことなんてあっという間に吹き飛んでしまった。
今日はたくさん勉強したし、駅前のイルミネーションでも一目見ようかな、なんていつもよりご機嫌な気分で歩いていると、突然声をかけられた。
「あれ、真宮じゃん！なに、結局緑谷とは過ごさなかったわけ？」
「じゃあ俺たちとイルミ見に行かね！？」
せっかく吹き飛んだ気持ちが、時間を超えて舞い戻ってくる。クリスマスに少し浮かれて、イルミネーションを見ようって思ったことに罰が当たったらしい。
「なあなあ、聞いてるー？」
「ほんと、顔は良いのに性格が可愛くないよな。」
「イルミ誘ったやつが何言ってんだよ笑」
所詮彼らは、私を連れてイルミに行ったという事実が欲しいだけなのだろう。彼らの見栄のために使われるなんて願い下げだ。
「お、カツキじゃん！今さ真宮をイルミに誘ってるとこなんだけど、こいつまじで釣れねぇんだよ！」
「カツキ誘ってくんね？お前なら絶対行けるって！」
ふと聞こえた幼なじみの名前に、そういえばこの2人はよくかっちゃんとつるんでいたことを思い出す。カツキ、と呼んでいることからも仲は良いのだろう。だとしても、かっちゃんがこの手の誘いに乗るとは思わないが。
「ハッ！くだんねェ。帰るわ。」
やっぱり。
まあこう言う人だ。自分で何とか振り切るしかないか。そう思っていたが、災難続きの今日は、これだけでは終わらなかった。
「まじかよー。ま、じゃあ行こうぜ！」
一言も発そうとしない私に痺れが切れたのか、腕を掴んで無理やり連れ出そうとする2人。抵抗するように力を込めようとも、中学生の男子2人に勝てるはずがなく。引きずられていく。
＿＿ドンッ
突如、近くにいた人にぶつかった。彼らは体の向きを私たちの方に向けると、わざとらしく痛がるそぶりをする。
「痛っ！あー、これは骨いってるわ。ちょっとお兄さん、どうしてくれるの？」
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
