68.どんでんがえし ページ30
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「皆…土産話っひぐ、楽しみに…うう、してるっ…から！」
教室の後ろでは、実技をクリアできなかった4人から暗いオーラが発せられていた。
「三奈ちゃん、赤点なの？」
「校長が相当強かったらしいんよ…。」
「ねずみだからって侮れないわね、ケロ。」
予鈴が鳴っても騒がしい教室は、相澤先生の登場により一瞬で静かになる。
「おはよう。今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た。したがって…林間合宿は全員行きます。」
「「「「どんでん返しだああああ！！」」」」
先生の合理的虚偽に赤点を取った4人が叫んで喜ぶ。うちのクラスの赤点は筆記はゼロ、実技で三奈ちゃん、上鳴くん、切島くん、砂藤くん、そして瀬呂くんの5人だった。
どうやら瀬呂くんはミッドナイトの個性で早々に眠らされたらしい。
全員で林間合宿に行けることになり、淀んでいた空気が明るくなった。
「1週間の強化合宿か！」
「結構な大荷物になるね。」
「あじゃあさ！明日休みだしテスト明けだしってことで…A組みんなで買い物行こうよ！」
透ちゃんの一言で、さらにクラスが盛り上がる。ほとんどの人が行くものの、かったりぃと言うかっちゃんとお見舞いのある轟くんは不参加だ。
「Aちゃんも一緒に行かん！？」
「行こうかな。キャリーケースとか持ってないし。」
「やった！楽しみやね〜。」
「だね。」
そして翌日。
県内最大のショッピングモールにA組のメンバーは集まっていた。
「とりあえずうち大きめなキャリーバック買わなきゃ。」
「あ、私も。」
「あらでは一緒に回りましょうか。」
ジロちゃん、ヤオモモと3人でキャリーケースを見て回る。この3人の組み合わせは何気に初めてだ。
「どういうのが良いのでしょうか。」
「1週間だもんねー。」
「結構な大きさになりそうね。」
何軒か一緒に回ったのち、それぞれ気にいるものを見つけて購入した。買ったは良いものの、持ち帰る時のことを忘れていて、これを持って帰ると思うとちょっと気持ちがブルーになる。
「え！」
「どうしました？」
「緑谷が敵と接触したって…。」
「出久が…？」
急いで広場まで駆けつけると、警察に囲まれる出久の姿が目に入った。
この場から立ち去ったとのことだが、万が一まだ潜んでいる可能性も考えてショッピングモールは閉鎖。私たちのショッピングも解散となった。
どこか不安な気持ちを抱えたまま、私たちの林間合宿が刻一刻と近づいてきていた。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
