真っ暗 ページ42
ミヒャエル・カイザーのフォローに回ろうと
夢中になって試合に出ていた。
ドカッ
前方不注意の為、相手チームの選手にぶつかってしまった。
自分からぶつかっておいて左足を負傷してしまう。
何故か立ち上がることが出来なくて
泣く泣くベンチに逆戻り。
世界がモノクロに見えた。今、ドイツ人DFが走っているその空間は
本当は自分が走るはずの場所なのに。
音留『雛原?おい雛原って!』
音留徹平が俺の名前を呼んでいる。
焦点を合わせようとしてもなかなか合わず
お調子者のいがぐりでさえも俺らの様子に驚いている。
音留『雛原、足にアイス当てろよ。』
「うん。ありがとうございます。」
俺がベンチから見る試合はとてつもなく長く感じた。
今までもベンチに居たり試合に出たりだったくせに、
フランス戦は今まで以上に長く感じた。
試合終了後、自室でクールダウンしていたが
何時間経っても足が良くならないので
一度拒否した医療室に向かう事になった。
骨が折れている訳ではなく、靭帯損傷をしているらしい。
音留『痛いはずでしょ!雛原は痛くないって!』
絵心『まだ試合終了して三時間経ってないくらいだろ。アドレナリンのせいで痛くないだけかもよ。時間経ってから痛くなるかも。それか痛覚が無いのか。』
大掛かりな手術が必要になるらしく
今までみたいにサッカーで活躍するのは難しいらしい。
「まあ、俺ならすぐフィールドに戻れるでしょ。さっさと手術して戻りたいんで一回入院してきていいですか?」
絵心『軽いな。戻れたとしても今のように活躍出来る可能性は低いぞ。』
「今の状態で活躍出来てないですし、ちょっと下手くそになってもすぐ戻れると思いますよ。」
絵心さん、不乱蔦会長のバックアップがあり
すぐに病院に入院出来ることになった。
ブルーロックにいた時は何ともなかったが、
病院に来て怪我を実感したからなのか
アドレナリンが出ていないせいか
左足の痛みはどんどん実感できて、
今すぐにでも手術をして痛みも歩けない恐怖心も
全て取り除いて欲しかった。
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作者名:Black cat | 作成日時:2023年5月31日 15時