可愛い守護神【ブルーロック男主】 (ページ18)

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俺を求めろページ18

時間も時間だったので

真夜中に初くんと入浴する事になった。

西岡『もう浴室ラッシュはとっくに過ぎてんだな。』

「うん。わざと最後に入ってる國神錬介もとっくに上がってるみたい。」

2人の声だけが浴室に響き渡る。

西岡『ヒナちゃんはさ、なんでそこまでブルーロックにこだわるの？』

「え、？」

西岡『俺たち高校生FWはみんな世界一のストライカーを目指してブルーロックで過ごす事を選択して、300人の中から多数の日本代表になる権利を奪ってまで今ここに居るんだよ。』

西岡『元U-20のヒナちゃん達は半強制的にここに居ることにされたわけじゃん？ここで追うべき目標でも見つけたの？』

確かにそうだ。

言われてみれば潔世一も國神錬介も元U-20(おれたち)とは違って

サッカーの上達スピードもゴールに対する意欲も

数百倍は違うだろう。俺と音留徹平が

なかなかベンチから抜け出せない理由も

潔世一や臥牙丸吟に勝てなくなってしまった理由も

そこにあるんだと思う。

西岡『雛原A。お前の旧友の御影玲王も約束された将来を捨ててまでここでサッカーをしている。Aはまだ音楽家の道を夢に見てサッカーしてるんじゃないか？』

確かにそうだ。

俺は昔から普通の人達より音楽の才に長けていた。

歌は凡才ではあったが、楽器に対しては

俺の右に出る者は居なかった。音楽教師もそうだった。

授業は教師がやるものの、楽器の使い方からお手本まで

全て俺が代打という名目でやらされてきたし、

ブルーロックに来る前もサッカー部と吹奏楽部を掛け持ちするなど

絶対に音楽に関わっていた。

それこそ、サッカーの応援歌や野球甲子園なども

全て俺が曲を作り直したり、指揮を取ったりして来た。

「全部、諦めたくないんだ。」

「初くんと一緒にサッカーをする夢も、俺の作曲能力で色んな人達に楽曲提供する夢も、壊れかけだった吹奏楽部を圧倒的才能を見せつけて建て直す事も、全部叶えたいんだ。」

西岡『…欲張り。』

「今は初くんとやっと再会出来たサッカーを全力でやりたいんだ。」

西岡『じゃあ、早くヒナちゃんに届いてる仕事も片付けなきゃな。』

「？」

初くんは身体を拭きながらそんな事を言う。

「仕事？」

廊下を歩いていると、モニターに絵心甚八が映る。

絵心『お前ら、まだ入浴中だったか。』

「ああ、ちょっと長風呂でした。」

絵心『まあそんな事どうでもいいが、雛原A。お前に外部から仕事が入ってきた。』