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第七話 ページ8

だが『犯人はクラスの生徒』、つまり自分だということが割れているとAはすぐに思い出す。果たしていつまで隠し通せるか不安だった。

「そうだ、A」

「うん?」

「言ってなかったけど俺、術師なんだよね」

「うん。……へ!?」

「アハハ! 良い反応」

 まさか一年も付き合ってきた友人が呪術師だったなんて。今の今まで気づかなかった自分を蹴り飛ばしたいとAは驚きを隠せないでいた。

「けど自分の術式についてはよく分かんないんだよね。せいぜい『死にそうになった時に助かる』ってくらい?」

「はあ」

 本当に術師なのかと疑ったが、そうであってほしいと願ってもいた。友人に呪術師がいてくれたほうが心細くなくていい。

「明日も休み?」

「いや、フツーに学校」

「マジぃ? 金曜なんだから休みにすりゃいーのに」

「ほんっとそれです……」

 アイツの授業もあるし、とAがこぼしたのを聞き取った春太が「ウザい先生でもいんの?」と笑う。

「いるいる。なにかと嫌味ったらしいヤツで、自分目ぇつけられてんですよ」

「ソイツ、()ってやろうか?」

「え?」

 ――冗談? 本気? どっちでもいっか。

「うーん……でもなんか申し訳ないし、春太さんに」

「あっ、俺?」

 まあ確かにメンドいかもだけどー、と彼は退屈そうに周囲を見回す。
 彼の目の下には三本ずつ、薄紫色の細長い逆三角形の模様が描かれている。その時の気分によって変えているのか、片目の三本だけ色が付いていないこともあった。今日は右目の端の一本だけが色無し。
 前から地味に気になっていたが何か意味でもあるのかとAがまったく関係ないことを考えていると「ラッキー」と春太が唐突に呟く。

「ゾロ目じゃん」

 見ると商業ビルに映し出されたデジタル時計が四時四十四分を示したところだった。そういうジンクス的なことが好きなのかと意外に思いながら春太に視線をやると、一つだけ線のみで描かれていた右目の下の模様が紫へと変化した。

「!!?」

「んー? どしたのA」

「や、なんでもない」

 とはいえ、そのおかげで彼が術師ということが分かったのでAはホッとしていた。ゾロ目を見ると色が付くのだろうか。

「てか、なんか変な人いるんだけど! 見てよA、ヤバくない!?」

 と、爆笑する春太の指差す方向を見ると離れた場所に白髪の若い男性が立っているのが分かる。奇妙なことに彼は黒い布で目を隠していた。

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闍弥嵩 李(プロフ) - 猫かぶりさん» ありがとうございます! いやほんと、ななみん背高いし紳士だし実は優しいし最高ですよね! 芥見先生が『選ぶなら七海にしておけ』と勧める気持ちが分かります! (2021年6月1日 16時) (レス) id: 425bc70507 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 推しLOVEさん» ありがとうございます! 頑張りますね! (2021年6月1日 16時) (レス) id: 425bc70507 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり - 続きがとても楽しみです!そしてななみん背高いぃぃぃ!!! (2021年5月30日 23時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
推しLOVE - すっごく面白いです!頑張ってくださいね! (2021年5月23日 19時) (レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 花笠さん» ありがとうございます! (2021年4月17日 15時) (レス) id: 1dd78312f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:闍弥嵩 李 | 作成日時:2021年2月15日 17時

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