第四十話 ページ41
呆然とするAに七海はあの後のことを詳しく話して聞かせた。
Aの術に襲われた偽の母と偽の叔母だったが、二人ともそこまでひどい怪我を負うこともなく回復したようだった。ただ、ショックのあまり支離滅裂なことを繰り返している点はあったが。
「あなたが処刑されるということはありません。ですが、一応要注意人物として監視の対象になっています」
それは無理もないことだった。非術師を攻撃しただけでなく、呪詛師と共に行動していたのだから。
なんとなく気まずくなり、視線を彷徨わせると机の上に置かれている物が目に入った。自分のスマホだった。画面だけでなくどこもかしこもバキバキに壊れている。一歩間違えば自分の体がこうなっていたかもしれない。
それから七海は一旦病室を後にし、彼と入れ替わるようにして白衣を着た若い女性が姿を現した。
「やあ、気分はどうかな」
「まあまあ……です。ありがとうございます」
疲労からなのか目の下にはくっきりと隈ができていたが、それを除かなくても綺麗な人だと思った。その後にある予感がよぎり、Aはおそるおそる訊いた。
「
「ああ。ひょっとして
「少しだけ……」
彼が高専時代の話をする時、
少しの沈黙の後、家入が先に口を開いた。
「七海が君のことをずっと気にかけていたよ。現場に行くのが遅れたのは上層部の伝達ミスのせいなんだが、彼にはそんなことは関係ないからね」
改めてAは申し訳ないと思った。それは今回のことだけでなく、初対面で彼のことを変に誤解していたことに対してだった。
「で、その上層部の連中なんだが……君を高専に入れることを推奨してる」
「そうですか。……え？」
「訓練すれば強力な武器になるだろうってね」
入れ替わりが激しい職業だ。使える物はとことん利用しようというわけか。
「君はどうしたい？」
高専に入るという考えはなかった。少し前まで壊そうとしていた場所に平然と通うほど面の皮は厚くない。
だが今はそれ以上に、このままでは駄目だという気持ちのほうが大きかった。たとえそれが家族を裏切る選択だったとしても、もっと強くなりたかった。呪霊をこの世から一匹残らず、消し去るために。
「入りたいです。呪術高専に」
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闍弥嵩 李(プロフ) - 猫かぶりさん» ありがとうございます！ いやほんと、ななみん背高いし紳士だし実は優しいし最高ですよね！ 芥見先生が『選ぶなら七海にしておけ』と勧める気持ちが分かります！ (2021年6月1日 16時) (
レス) id: 425bc70507 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 推しLOVEさん» ありがとうございます！ 頑張りますね！ (2021年6月1日 16時) (レス) id: 425bc70507 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり - 続きがとても楽しみです！そしてななみん背高いぃぃぃ!!! (2021年5月30日 23時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
推しLOVE - すっごく面白いです！頑張ってくださいね！ (2021年5月23日 19時) (レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 花笠さん» ありがとうございます！ (2021年4月17日 15時) (レス) id: 1dd78312f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2021年2月15日 17時
