非現実的世界 ページ14
彩side
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ここは、何処__________?
真っ暗な、闇の中。
自分の体さえも見えず、自分が今どのような場所に居るかさえもわからない。
なんで私はこんな所にいるのだろう。
私は自分の部屋で黒木君と話していたのに。
そうだ、皆は?!
目を凝らして見ようとしてみても、何も見えない。
不安に思って自分の体を腕で包んだ。
その時、大きな音が辺りに響き渡った。
な、何?!
いきなりのことに、私はパニックに陥る。
訳も分からず、走り回った。
体が重い。思うように動かない。
怖い、誰か助けて!
誰か、誰かっ!
お願い、助けて、皆_________________
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あ…………!
無我夢中で走っていると、一筋の光が見えた。
その光に向かってまっしぐらに走る。
光の発信源らしきところにたどり着いたとき、何も考えず光に飛び込んだ。
よく考えるとものすごくアホな行動だったと思うけれど、今の私は完全に冷静さに欠けていた。
飛び込んだ途端、光が明るくなる。
さっきまで闇に包まれていたとは思えないほど明るかった。
一面が、白……というよりはパールのような感じで、明るいのに眩し過ぎない。
そしてなんだか、体が宙に浮いた感覚で、自分が自分じゃないみたいだった。
なんの考えもなしに歩いていると、奥の方に何かが見えてきた。
あれは………、人?映像?
四人の人影が見えたけれど、普通の人影とは何処か違う。
何かの映像が、シルエットの中で忙しなくうごめいていた。
恐る恐る近づいて、シルエットに触れてみる。
その瞬間、不思議な感覚が私を襲った______________
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「どうする?」
ふと、聞きなれた声が聞こえて、私は意識を取り戻した。
周りを見渡してみると、秀明の中だということがわかった。
そして私、宙に浮いてる……………
何だろう、さっきからの非現実的な世界は。
「……嘘、吐くか。」
再び聞こえた声の方を見ると、KZの皆が苦しげな顔をしていた。
…………嘘?
訝しく思って耳をそばだてるが、皆の声にはノイズがかかったように聞き取れない。
拳を合わせた皆。
「………をまも…」
をまも?
をまもって、何?
不思議に思いながらも、歩き始めた皆の後にこっそりついていった。
なんかちょっと、楽しいかも。
って、そんなこと言ってる場合じゃないか。
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yuzuka - とっても面白かったです。また色んなお話を書いてください!応援してます (2022年11月2日 20時) (レス) @page45 id: 81843b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ - めっちゃ面白すぎて今4周しました!これからも頑張ってください! (2022年8月16日 16時) (レス) @page45 id: 09838c8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
柚菜 - あーー、感動しましたいいお話をありがとうこれからも頑張ってください (2022年1月15日 13時) (レス) @page44 id: 1216b927b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - お返事ありがとうございます^^*もちろんです!お待ちしています! (2021年4月30日 0時) (レス) id: 7efce59d5b (このIDを非表示/違反報告)
HUMA(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます。嬉しいです。あと本当にもう少しなのでどうにか終わらせたいです。最後までどうかお付き合いいただければ幸いです。 (2021年4月29日 23時) (レス) id: 75b28dedc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HUMA | 作者ホームページ:https://odaibako.net/u/potage1314
作成日時:2016年7月11日 9時