コーヒーとチョコレート byこたつむり ページ16
カフェノワール。
ノワールとはフランス語で黒を意味する。
常連客しか来ない、レトロな雰囲気の隠れ家的喫茶店。
暇を持て余した店主は閑古鳥が鳴く店の中で煙草を吸う。
喫茶店は喫煙は平気で、禁煙などはしていないから、タバコが大嫌いな人はこの店に入れないだろう。
なかなか店に客が来ないと、溜息と共に煙草の主流煙を吐き出し、副流煙を燻らせる。
そんなときに、カランコロンと風情のあるベルの音と一緒に一人の客が入店する。
「わ、いらっしゃい。新規のお客様ですね。何名様ですか?」
「一人です」
「カウンターとテーブル、どちらがよろしいでしょうか。見てのとーり、閑古鳥が鳴いてるんでどこでもいいですよ」
「カウンターで」
入店してきた客を確認した店長は慌てて灰皿にまだ吸えるタバコを押し消し、キッチンの方へと回る。
マニュアル通りに、他店舗と同じ接客をしながら、所々に軽口を叩く。
特徴的な紫の髪色をした男性は短く受け答えをして、店長の目の前の席に座る。
白いシャツに黒い腰から下にさげたエプロンとネクタイがモノクロでわかりやすい。
2種類の色が使われていることでシンプルなように見える。
喫茶店の第一印象は暗めで落ち着く、壁は白、机は木でできて、ぬくもりこそあるが、他の家財だったりは黒で統一されている。
時間とお金の許す限りはここにいたいと思える程度には心地よい空間だ。
「お飲み物は如何致しましょうか?」
「ブレンドコーヒーのホット」
「最近は彼岸も過ぎて寒くなってきましたしねぇ」
注文を受けた店長は軽口を叩き、はははと軽薄そうに笑いながらコーヒー豆を引くところから始める。
ガリガリと豆を砕く音が店内に響き渡るが、店長は沈黙が嫌なのか、好きなものってあります?
と問いかける。
「好きなものはおつまみとか、あと甘いやつ。ええと、そっちは?」
「おれですか? おれはねぇ、コーヒーが好き。まぁだからやってるんですけど」
律儀に答え、聞き返そうとする紫髪の客に、へらりと笑って答えた店長は、続けざまに自虐的にそれしか取り柄がないんですけど、とも付け足す。
ドリッパー式を採用しているその店では、入れるたびにコーヒーのいい香りが漂ってくる。
まずはじめに、コーヒー豆全体に少量のお湯をまんべんなく載せるように入れる。
注いだところからコーヒーの色をした気泡が出ては弾ける。それから二十秒ほど待つ。
コーヒーとチョコレート2 byこたつむり→←シャンプーと煙草/sm 時林檎。
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月夜(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます〜!文才の神みたいな作者さんがいっぱいなので楽しんでくださいね^^ (4月15日 9時) (レス) id: 316f75b05d (このIDを非表示/違反報告)
m - 初コメ失礼します、!なんか、その、んと.. 凄く好きです!!語彙力が乏しくてなんか変になっちゃった..ww具体的に好きな理由を言語化できないけどとにかく好きです! (4月3日 21時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - こたつむりさん» わ!!!こっちゃん!!!久しぶり!!意味深な笑い怖すぎる (4月3日 5時) (レス) id: 34cc6412e1 (このIDを非表示/違反報告)
こたつむり(プロフ) - 月夜さん» お久しぶりにお顔出しましたね…………ふふふ (4月3日 3時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - ひゃー懐かしい (3月22日 14時) (レス) id: 34cc6412e1 (このIDを非表示/違反報告)
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