夢のおくすり

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「ミミが見つけてくれたブレスレットの石、あれはね、パワーストーンなんだよ。」

あ、あの正露丸みたいなの？

「あの石は『心眼』とも言われ、真実を見極める力を引き出してくれるんだ。」

へぇ〜……？？
黒木君は一体どんな真実が知りたいの？

「俺が知りたいのは“俺”。本当の自分を見極めたいんだ。」
黒木君は私をギュッと抱きしめ、思うところがあるのか黙ってしまう。
私は静かに黒木君が話し出すのを待った。

「でもね……アーヤ……君の前だけは時々本当の自分が見え隠れするんだ……」

え？どういうこと？

「君の前では自制が効かない時がある。隠しきれない心が……出てしまうんだ……特に【嫉妬】と言う感情がね……」

私と目線を同じにすると、私の頭と黒木君の額をくっつける。
眼前に広がる黒木君の大きな瞳に私が映る……

黒木君の瞳って……綺麗………


「好きだよ……アーヤ……」


・・・・・


な……何、い、、言ってんの？？
わた、、私は今、ミミだよ！
やだな……冗談酷すぎ………

私が一声鳴くと額を離し、私の瞳をじっと見つめる。

あ………

時間が止まる……プレッシャーキス。

「アーヤ、俺の願望……君だけは本当の俺を見つけて欲しい……」

空気も音も思考も……全てが止まる……

私は何をしたの？
私は何をされたの？
突然の告白に唐突なキス……

私の思考回路はまたもやショート状態。
両脇を持たれてびろ〜んと身体を長くしたまま動けない。
でも黒木君は満足気にクスクス笑っている。

「ミミ、君に俺の気持ちを聞いてもらえて幸せだよ。君はやっぱり俺にとって天使だね。」
長い身体をグニャグニャ揺すられる。

すると、私の思考回路は繋がった……

わ、私のファーストキス！
黒木君、酷い！

………でも今私、猫なんだよね……

今のはファーストキスにカウントされないよね？
だって猫だもん！

でもでも、中身は立花彩……

ファーストキスになるの？ならないの？
どっちなの！？

誰か教えて！

お願い！ 『違う』と言って〜！！

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