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目を開けると、目の前にドンッと肌色の物体がある。
何、これ？……
ジッと見ていると、それはとても見慣れた物。
指？……
なんでこんなに大きいの？
一体こんな大きな拇趾、誰の？
しかも、私、寝転がっているの？
体を起こし、姿勢を正す。
それでも目の前の足は、変わらず大きいまま。
……夢でも見ているの？
その時、
「ミミ、おいで。」
声と共に大きな手が顔の前に差し出された。
な、なに？
なんでこんな大きな手！？
私、小人になったの？
怖くなってダッシュで走る。
あ、あそこ！
そこはどう見ても大きな家具の下、隙間がある。
暗いけど取り合えず入ろう！
ツルツル滑るフローリングを走ってスルッと暗闇に身を潜める。
ジッと体を縮めて様子を窺う。
「はぁ……怖がらなくていいよ。さぁ、出ておいで。」
わっっ来る！！
ギュッと目を瞑って震えていると、大きな手に引き寄せられた。
そして、両手で包まれた。
「ミミ、怖がらないでおくれ。」
恐る恐る目を開けると、どアップの顔。
く、黒木君！？
声の主は黒木君だったの！？
艶やかな微笑みを浮かべ、私を見つめる。
うわぁぁ………気絶しそう…………
「そうだ！ミルクをあげようね、ミミ。」
私を床へと静かに降ろす。
『ミミ』は黒木君の発音からすると、【Mimi】。
フランス語で【かわいい】の意味。
そして今、小人となった私に付けられた名前みたい……
でも、小人になっても、私は私だと思うんだけど………なぜ『アーヤ』じゃないんだろ？
黒木君がキッチンへ行くのを見送って、窓の方へ。
しかし、よく滑るフローリングだな……
ヨタヨタ歩きながらカーテンへ潜り込んだ。
・・・・
え？ 誰？？ 私？？？
夕闇のガラスに映っているのは……ね、ねこぉぉお！
耳がピンッと立って、四つん這いで、長いしっぽがユラユラ揺れる、猫！
いや、違う……私のはずが無い。
私は小人(今は)。私は人間(生まれた時から)。私は立花彩(の筈！)。
心の中で呪文のように繰り返す。
その時耳の後ろがムズムズして無意識に掻いていた。
映っていたのは後ろ足で掻く姿。
あ……やっぱり私なの？…………
愕然として、頭の中、真っ白………
「ミミ、ミミ！出ておいで。温かいミルクだよ。」
黒木君の呼ぶ声に途方にくれたまま、カーテンから出る。
フローリング、滑る訳だ………
ローテーブルに置かれたミルク。
下から見ると、テーブルって結構高い。
でも、もし、私が猫ならば、ジャンプできるかな？
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
り一 - この薬のんでみたい！ (2020年5月22日 14時) (
レス) id: a9605826b0 (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - 葵さん» めっちゃ褒めすぎですよ、葵さん(汗)でも楽しんでいただけたなら嬉しいです。ありがとうございました。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんと表せば良いのか分からないくらい、読んでいてワクワクしました！凄く想像力が豊かだからこそこんなに素晴らしい作品が書けると思うので、ほんと尊敬します(p^-^)p (2019年4月19日 22時) (レス) id: 5cf405873d (このIDを非表示/違反報告)
千祥(プロフ) - みなみさん» 読んでくださり、ありがとうございました。いくつか掛け持ちをしているのでメドがたってから作りたいと考えています。妄想は絶えずしてますので、ネタはあるんですが(^_^;) また新作を出した時にはよろしくお願いいたします。 (2018年11月25日 0時) (レス) id: b78f8b2173 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - また新しい作品読みたいです！応援してます！ (2018年11月24日 21時) (レス) id: 405036adca (このIDを非表示/違反報告)
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