CITRUS TIARA☆7

橋本さんの言う通り#1 ページ34

▽



『瑞月！おはよう！』


瑞月「あぁ、おはよう」


『ねぇ今日席替えだって！

誰の隣かなーイケメンがいいなぁー』


瑞月「席替え……かぁ。


あーやっと今のこの隣のバカと離れられる」


『……瑞月、今何か言った？』


瑞月「えっ、あぁ……何も言ってない」




橋本さん、しれっと出てきやがって。


絶対家帰ったら怒ってやる。

家帰っても出てこないかもしれないけど。




『ねぇ、瑞月。狙ってんの？本橋くんの隣』


瑞月「あっ、ちょっと！

……そりゃ、なれたら、いいなぁ…くらいだよ」




こんな私では好きな人のひとりやふたりはいる。


同じクラスの本橋くん。


このクラスのムードメーカーで結構目立つ存在。

カッコイイし、運動もできる。


友達と笑いあってるところを見て

一目惚れしちゃったわけだ。




席替えはくじ引きで行われる。

私が引いた番号は22番。

先生が張り出した紙を見ると

どうやら29番の人と隣になるらしい。


せめて勉強少しはできる人がいいな。

勉強教えるの嫌じゃないけど

自分の時間減っちゃうし。


そんなこと言ってたら橋本さんに

面倒だからだろ、なんて言われるだろうけど。




「……橋本さん、22番？」


瑞月「うん……もしかして隣って本橋くん？」


隼人「そう！29番！」



………やばい。

神引きだ…本橋くんと隣なんて。

嬉しすぎる。


そんな私が想いを寄せる彼が

私の平和を崩す存在になる。

そんなことは考えてもいなかった。






隼人「………ねぇ、橋本さん」


瑞月「何？」


隼人「今日の数学全然分からなかったから

放課後になっちゃうけど教えてくれない？」


瑞月「……うん、いいよ」




今の時間で授業は終わり。

生徒達はみんな足早に部活や帰路に向かっている。


また教えることになってしまった。

でも本橋くんなら何でもOKだ。


それに教えることで改めて自分で理解出来てるか

確認できるからね、教えることもいいことだ。

これは言い訳に過ぎないけど。




瑞月「………てこと。分かった？」


隼人「うん、橋本さん分かりやすいわ。

あの数学の先生より全然！

ていうか寝ちゃってたんだよね。

なんか話す声のトーンが眠気誘う感じで！」


瑞月「…寝てたんだったら

最初からそう言えよ、ばーか」


隼人「……橋本さん？」


瑞月「………へっ？」


隼人「……今なんか言った？」


瑞月「な、なんも？」




危ない危ない橋本さんが出てくるとこだった。



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