【チェンソーマン】デンノコ少年【短編集】 (ページ1)

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3時の雨宿りページ1

㋅某日、梅雨の日、その日の午前中は晴天だったのに、5限目の授業が終わるころには大雨に変わっていた。

HRが終わるころには雨がやんでくれるといいけれど、と思っていたけれど止まなかった。

ないとわかっていながらも鞄の中に折りたたみ傘が入っていないか確認する。

昇降口に忘れてある傘がないかも一応確認するけれど、やっぱりない。

「えっ？！雨！？しゃーないな、走るか」

昇降口で立ち止まっていると横から声がして目だけ動かす、横のクラスのデビルハンターだ。
テレビに良く出てるから知ってる。

「お前も傘ねぇの？」

目が合う、びくっと肩を揺らすと一歩、近づいてくる。彼の名前はデンジくん。
キョロキョロとあたりを見回すと、一本だけ傘が余ってる。

「パクってくか？これ」

傘を手に取ると、にやっと笑う。でも一本しかないよ、というと、デンジくんは傘を開いて濡れた校庭に出る。

「あいあいがさ！こいよ！」

手を振るデンジくんと、ためらう私。あいあいがさって……。

「ええい！」

鞄を頭の上に載せて雨よけにして、デンジくんの傘に入る。

ぱしゃぱしゃと泥が跳ねて靴下にしみる。
デンジくんのところまで着くと、驚いた顔をしてる。

「よしっ！帰るぞ～～！」

土砂降りの中二人で傘を濡らして帰った梅雨の日の3時。
家に着くころには雨は少しずつ弱まってきて、空を見上げると虹がかかっていた。