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「人間、相手の心を掴むなら、3つの袋を掴みましょうと仰います。胃袋、巾着袋、玉──おっと失礼! ……なれど彼の長、我々執克筆頭、藤原鬨戈さま御大は
「おおお、おおおい、おい! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!! 死ぬてこんなん、ホンマに死ぬ! 足という足……ッ手という手! が! 余すことなく千切れて、お天道様のもとに! 弾けて死ぬ!」
「案外死なんかったわ」
「人隠すんなら人の中、人騙すんなら身内から。そう、言われとるやろ? コイツも同じ、なーんも変わらへんよ」
「いっぺん撃って、したら終わり言うてたら……、まあ、まだまだ三流ペー太郎、やなあ。目玉こじ開けてでも、よお確認せなアカンよ。きみ」
「真打ち登場、目玉は大盛り上がりの時にやってきてこそ、やろ? ……ちょっとだけしんどかったな。よくこらえた。ようやった」
「堪忍してや。俺、地獄には行かれへんのやってさ」
「春はお花見、夏は月夜の蛍、秋には紅葉、冬は雪。あとはそこに君がおったら、もう酒には何にもいらん、なあ……」
「ええ……? もお、しゃあないなあ。か〜わいい」
「火遊びも大概にせなあかんよ。大火傷してまう」
「あ・ほ。」
【その他】
生前は家族5人と慎ましく暮らしていた。家族構成は父母と兄、歳の離れた妹。壱弐参は真ん中の次男坊。実家は兄が継ぎ、妹は気立てのよい優しい子だった。今となってはそれすらも遠い記憶。
灼のに所属しているものの、彼がその一員であることを知る者は少ない。自分から灼であることを公言したくないため、よほどのことでなければ黙っているし、灼かどうかと尋ねられれば「どう思う?」と返す。自分がそういう立場だからといって畏まられたり、恭しくされるのが煩わしいからという理由。あくまで君とは対等に話をさせて、こちらを小突いてくれたら満足やねんな、という心持ち。
叙云学院には12年在籍。ご覧の通りの緩さと適当さ、そのくせ変なところで義理を通そうとするため、彼を上手く扱える先生はごくわずかであったという。なお友達は多い方であったので妙に器用だったのも面倒くささに拍車をかけていたらしい(友達からの評判は良かったため)。
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