149団長は生きてる ページ4
阿伏兎「生憎、この星で育った飛びっきりの馬鹿が作った部隊でな。その辺にしとけェ、てめェら。俺ぁ手貸さねェぞ。
俺はこの男の息子に左腕持ってかれて、娘に耳持ってかれたんだ。親父には何持ってかれるか解りゃしねェからな。
それとも、あの馬鹿の仇討ちでもする気か?
尚更やめとけ、俺の獲物に手出すなって殺されるぞ。」
星海坊主「あいつがまだ生きてると?」
阿伏兎「だからアンタここに来たんだろ?親子喧嘩の続きしに。よく似てるなぁ…アンタら。
一度己の敵を見定めたら、そいつを倒すまで他のものなど見る気もしねェ。例えその敵が実の父や子でも。」
A「…………。」
阿伏兎「来いよ。茶は出せねェが、息子の愚痴ならいくらでもある。」
団員「副団長っ…!」
阿伏兎「聞こえなかったか?この男は俺達の命にこれっぽっちも興味はねェよ。あったら、俺達はここにはいねェ。
そして俺達にこの馬鹿親子を止める術もねェ。だったら一緒に待つしかねェだろう。
馬鹿の帰りを。」
阿伏兎がそう言うと、団員達はしぶしぶ引き下がった。
ハナビ「や〜流石は阿伏兎はんやなぁ。神威はんのことよう知っとるわぁ。」
星海坊主が階段を上がり、Aとすれ違おうとしたその時
A「…団長は生きてるから。」
星海坊主「!」
A「…馬鹿は死んでも直らない。団長にぴったりな言葉だと思う。
でも、獲物を取り逃がしたまま死ぬ程、馬鹿でもないんだ。
見くびらないで。」
Aは星海坊主を睨み据えると、そのまま階段を下りて、烙陽の町を眺める。
星海坊主「……随分と馬鹿息子にご執心のようだな、あのガキ。」
阿伏兎「Aか?まぁ、あいつは団長直々に第七師団にいれてもらったようなもんだからな。普段は馬鹿団長の暴走に呆れちゃいるが、慕ってはいるんだろうよ。
じゃなかったら、ここまでついてこねェさ。」
星海坊主「!…おい、あのガキ、Aって言うのか?」
阿伏兎「?…あぁ。それがどうした?」
星海坊主「……まさかな。」
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タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2021年3月3日 8時) (レス) id: 38c3065273 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - めっちゃおもしろかったです!こういう展開めっちゃ好きです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: fba69e2527 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - コメントありがとうございます。頭眩しいは口には出せないことは夢主とハナビにも察しがついていたので、せめて心の中で呟かせました(笑) (2021年2月17日 10時) (レス) id: 38c3065273 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 面白かったです!あの、頭眩しいのとこめっちゃ好きです! (2021年2月16日 17時) (レス) id: 283f5f246a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タンポポ | 作成日時:2021年2月6日 1時