追いかけっこは終わらない 【中3 5月/雲雀】 ページ9
雲雀side
連休が始まったというのに、Aはさも当然のごとく、男子制服を着て応接室に来た。
貴「雲雀さん、こんにちは！」
5月5日のハレの日。
もっと難しく言えば端午の節句。
さらに言えば…僕の誕生日。
沢田のように鈍くも鈍感でもない僕は気づいてしまう。Aが祝いに来たことを。
自分の誕生日に特に思い入れはないけれど、Aが祝ってくれるなら…多少は嬉しいかもしれない。
そう思っていたのに、Aは当たり前のごとくその幻想を壊してみせる。
貴「今からツナと修行するんですけど、一緒にどうですか？」
雲雀「…沢田と？」
貴「ええ！いつもみたいに！」
誕生日など微塵も関係のなかった話に僕は少しイラつき始める。
…ああ、そう。
クロームや山本武や白蘭の誕生日は祝うのに、僕のは覚えてないんだ。
これまで彼女に祝われて来たメンツの顔を思い浮かべながら、僕はデスクに頬杖をついていた顔をAから逸らした。
雲雀「行かない」
貴「え」
雲雀「君は沢田がいればいいんだろ。
沢田のことが好きなんだからさ」
貴「そ、それはそうですけど…」
僕の言葉に赤くなる彼女。
その様子にまた僕はイライラと心を尖らせる。
沢田を好きだと自覚したA。
彼女はこの春に僕がキスをしてからというものの、上手い具合に2人きりになることを回避しながら、僕からの好意を拒絶していた。
貴「で、でも…ツナとばっかり戦うのもそろそろ手が読めて来たというか、ツナって基本的に本気で戦ってくれないから…たまには雲雀さんと本気で戦いたいな〜って」
雲雀「フン、沢田の代わりって言われて快く参加するわけないでしょ」
貴「そ、それだけじゃなくて！
やっぱり並盛最強の雲雀さんと手合わせして、その強さの秘訣を教えてほしいな〜…へへ」
下手なごますりをするAに、僕は長引かせるのも嫌になって言いたいことを切り出す。
雲雀「A」
貴「はい？」
雲雀「今日はなんの日？」
貴「え？こどもの日…ですよね」
雲雀「…正答と、その答えに見合った誠意が見えるまで、君とは修行しない。」
貴「ええ！？えーと…」
顎に手を当てて本気で考えこむAは、まさか本当に僕の誕生日を覚えていないのだろうか？
…それってすごいムカつく。
僕ばっかりが君を好きでいるどころか、君は全然僕のことに興味がないなんて…そんなの許せるわけもない。
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
