姫の目覚めは午前0時 12 ページ35
白蘭(さて、どうやって絡め取ろうか)
そんなことを考えていると…不意に1階からドアの開く音。
「ただいまー」
「あら、正一！誰か来てるの？」
正一「母さんと姉さんだ。
ごめん、少し顔見せてくるよ」
そう言って正チャンはトランプをテーブルに置いてから、部屋を出て行く。
その透明なケースから中身を取り出しながら、僕はAちゃんに言った
白蘭「Aちゃん、これでジジ抜きしない？」
「ジジ抜き？」
白蘭「そ、罰ゲームつきの」
罰ゲームと言った途端
Aちゃんの瞳の奥が少し色を変える。
それは疑念と警戒の色だ。
「…罰ゲームの内容によるな。」
白蘭「ん〜、そうだな。
定番の 勝者が敗者の言うことを聞くってのはどう？」
「ここでの勝者と敗者の定義は」
白蘭「勝者は1番になった人…って言いたいところだけど、そうなるとAちゃんとボクのほぼ一騎打ちになっちゃうよね。だから、勝者は『2位』の人っていうのはどうかな」
「そりゃいい。なら、敗者も変則にして『1位』の人にするってのはどうだ。
2位になった人が1位のいうことを聞く。」
白蘭「おもしろそーだね♪
そうそう、勝者からの命令の内容も決めなきゃ。」
「違法な行為や他人の迷惑になるようなことがナシなのは大前提だよな。
それと…他人の意思を曲げるようなことも」
にこりともせず、感情表現の薄いAちゃんが一線を引くようにそう言った。
ああ、残念。この子はもう気づいている。
ボクがこんなゲームを持ちかけたのは、Aちゃんの恋心を変えるためだって。
でも、それがやめる理由にはならないよ。
白蘭「りょーかい♪
でも、デートに誘ったりするのはアリだろ？
元に戻った君をさ」
「勝てたらな」
冷めた表情、どことなく距離を詰めさせない視線。
前の世界でのAちゃんの成分を多く残した王子様が、カードをよく切るボクの手を待ち惚けするように眺めた。
正一「ちょっ、姉さん！」
明子「白蘭くん、また遊びに来てくれたの？
あら、そっちのイケメンは…？」
その時、正チャンを押しのけて部屋に入って来たオネーサンが、Aちゃんを見て頬を染める。
そんな彼女に、Aちゃんは実に王子様らしい笑顔を返した。
「お初にお目にかかります。
正一くんの友達の花村Aです。」
にこやかで余裕のある笑み。
それを早く焦らせたい。
白蘭「正チャン、4人でトランプやろうよ」
さあ、ゲームを始めよう
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
