姫の目覚めは午前0時 9 ページ32
雲雀はどうかわからねーが、白蘭も同じようなことを考えていたとしてもおかしくない。
これが沢田を出し抜く千載一遇のチャンスだって気づいたからには、この機会を逃す手はないだろう。
ベル(このAは他のAより口説きやすそうだな。王子ラッキー♪)
とにかく午前0時までにこのAの心を俺に向かせる。そうすりゃ、何か変わるかもしれねえ。
「あ、あの、近い…近いですって！」
ぐいっとこちらを押し返すその手の力はいつもより弱い。それすら今は愛らしい。
ベル「いーだろ、誰が見てるわけでもねーし。」
「見られてる見られてないの問題じゃなく…な、なんかされそうで嫌で…」
ベル「なんかってなんだよ
…もしかして、こういうコト期待したワケ？」
その顎に指をそえて上げさせると、鼻先が触れそうになるほどに顔近づいた。
そのままキスのフリをするように、あと数センチの距離を詰めようとすると…
Aが驚きに目を見開いてから一層顔を赤くして、ギュッと目を瞑る。
ベル(…おい、なんだよそのかわいい反応。
抵抗しねーのかよ…)
いつもなら容易に避けるAが、逃げない。
その捉えた獲物の誘惑に勝てるはずもなく、寸止めでからかうはずだった唇を寄せ…
ようとしたその瞬間、小気味の良い、破裂音にも似た音が自分の耳のすぐそばでした。
ベル「！？」
頰に走った痺れにも似たような痛みが、ビンタをされたのだとすぐに気づかせる。
もちろん、王子にその打撃を喰らわせたのは
目の前のAに他ならなかった。
不意打ちで離れた俺を、フルフルと震えたAが涙目で見つめる。
「そ、そういうのは！好きな人と…ツナとじゃなきゃしたくないんです！！」
Aの目から涙がボロボロッと溢れて、俺は痛がるより先に驚いた。
ベル(な…泣くのかよ。)
「…ツ、ツナ以外の人と…こ、こんなこと…」
子どものように泣き始めたAに、王子は額に汗を流しながら慌ててなだめる。
ベル「お、おい。悪かったって。
冗談だっつーの」
「でも…本当にしようと…ぐす…してましたよね」
ベル「…。」
Aはジト目でこちらを睨みながら、ササーッと下がって俺から距離を取る。
その時俺はようやく気がついたのだ。
このAは恋愛への興味が強いA。
つまり、Aが恋をしている相手…沢田への想いは他の2人以上だということに。
ベル(これは…想像以上に手強いじゃねーか。)
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
