姫の目覚めは午前0時 4 ページ27
貴「あのなあ、これは遊びじゃ…」
ヴェルデ「ふむ、複数同時にデータが取れる方が効率はいいかもしれないな。
花村、２つとも使用しろ」
貴「ええ…？」
貴(分身とは言え自分を貸すのって嫌なんだけど…まあ２つ作ってもオレが見張っておけばいいし、変なことさせないように気をつければ大丈夫…か？)
なにやら思案したかと思えば、Aはヴェルデから人形をもう１つ受け取って、それぞれの手に優しく握る。
貴「離れろ、2人とも」
Aが炎を出すことを示し、俺たちは食べ終えたアイスの棒をゴミ箱に放りながらソファーの肘掛から離れる。
ヴェルデ博士が自前のPCを起動するのを確認すると、Aはそれぞれの手に雲属性の炎を込めた。
それに呼応するように、首から下げられた星のリングにも雲の炎が灯る。
そして…
貴「！」
5秒ほどAが炎を込めた次の瞬間、真っ白な煙が人形の関節から一気に漏れ出て、それはAごと覆ってしまう。
ベル「ししっ」
白蘭「♪」
それに俺たちは動じることもなく、扇風機のそよ風が煙を晴らすのを待った。
「んっ…ゲホッ、ケホッ…ちょっ、煙が出るなら最初に言っておいてくださいよ…」
「まったくだ」
困ったようにむせる声に、同じ声が相槌を打った。
「「「え？」」」
同じ3人の声が、今度は重なるように疑問符を浮かべた。
─煙が晴れ、3人の人影が現れる。
「「「…成功、か？」」」
そこに立っていたのは、背丈がそれぞれ微妙に違う3人のAの姿。
全く同じ姿で現れると思っていた俺たちは、それぞれの違う特徴に思わず目を向けた。
俺から見て左には 比較的背が高く、不思議な威圧感のある髪の短いA。
真ん中にいる、並中の男子制服を着たいつものよく見る姿のAは少し背が低い。
そして右側には、さっきまでと同じ服装を着たA。
客観的に見て右が本物だと思うのだが、なぜか俺はその態度に違和感を覚えた。
「あ、あの…成功したみたい…です」
おどおどした態度に、こちらに気を遣いすぎるような『右』の言葉遣い。
それはどこか懐かしい。
未来から帰ってきた直後にヴァリアーを訪ねてきた時のような…謙遜しすぎるくらいのAがそこにはいた。
ヴェルデ「…驚いた。全く同じコピーが生まれるとばかり思っていたが、どうやら完全な分身ではなく、花村の深層心理が強く影響した個体が現れたらしい。」
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
