姫の目覚めは午前0時 2 ページ25
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ヴェルデ「早速だが研究内容について話させてもらおう。それにお前が同意すれば我々の契約は成立だ。」
貴「はい、よろしくお願いします。」
Aに出された麦茶をストローで飲みながら、ソファーに座ったヴェルデはAと向き合った。
さっきまでAの部屋に入り、勉強机の上に大切そうに置かれた沢田とAのツーショット写真を見てなんとなく萎えていた俺たちは、勝手にアイスを食べながらAを挟むように狭いソファーの肘掛に座る。
白蘭「もー、Aちゃんったらまた仕事？
手切れ金なんて言って自分の家族にお金全部渡してきちゃうからこうなるんだよ。
ほーんとカッコつけ屋さんだよね」
前の世界へ戻ったAの豪快な金遣いを知る白蘭は、おちょくるように言った。
それにAはすかさず言い返す。
貴「そうすべきだと思ったから返したんだ。
後悔はしてない。」
白蘭「そのせいでバイトばっかりになっちゃって、こないだの夏祭り以来綱吉クンたちと遊べてないのに？」
『綱吉クン』というAの想い人を示す言葉に、思わず俺はAを見た。
好きな奴が自分以外の誰かを想う姿なんざ胸くそ悪いってのに、どうして人間ってのは反射的に様子を伺っちまうのか。
どうせこいつは「ツナと会えないのは寂しい」って、俺たちを傷つけると分かっているのに。
そんな後悔をする間も無く、Aは平然と言った。
貴「確かにツナたちとは会えてないけど…誰とも顔を合わせてないわけじゃない。
現に、お前たちとはこうして会えてるじゃないか。それだけでオレは嬉しいし、元気が出る。」
ベル「…。」
…無意識に、口に含んだソーダ味のアイスを、ゴクンと飲み込んだ。
夏の甘さが頭の中にまで溶け込んでいく。
…だから、なんでお前はそう、欲しくなるようなことを言うんだよ。
ベル「…そういうとこあるよな。
王子やめたって言ったくせによ」
白蘭「うん。そういうところあるよね、Aちゃんって」
貴「はぁ…？」
意味がわからないと言った表情で片眉を下げるAに、置いていかれていたヴェルデがようやく声を上げた。
ヴェルデ「花村。これ以上時間をロスするならば契約は反故でもいいが」
貴「わっ！す、すみません！
…改めてお話を聞かせてください。」
頭を下げたあと、スッとAの目が少し細くなる。それは仕事のモードに入ったAの表情だった。
姫の目覚めは午前0時 3→←姫の目覚めは午前0時 1 【中3 夏】
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
