ファナティック 6 ページ23
貴「だから、オレのつかみどころは『皆を好きなところ』だよ。オレの行動原理は全部お前達だ。」
コミックを置いて、Aはこちらをニッと向く。
貴「オレがこんな性格になったのも、この世界に居続けることも、戦い続けることも全部みんなの影響！
みんなが好きだから、オレは今のオレに成長してきたんだ。な、そう考えるとオレなんて単純そのものだろ？」
「単純明快！」と膝を打つAの言葉が、腑に落ちて、俺は思わず閉口する。
Aを1年経っても理解できていないなんて嘘だった。
本当は最初から知ってたんだ。
こいつがどんだけ俺たちを好きかなんて。
その明るい笑顔も、心の底から信頼するまっすぐな視線も、それはAが俺たちと共に得てきたもの。
そんなお前だから10代目は…お前を好きになったんだったな。
獄寺「…そこまで好かれてるとキメェ」
貴「なんだと！せっかく人が自分のことさらけ出してやったのに！！」
ジト目でそう言ってやれば、Aは少し腹が立ったように声を上げた。
獄寺「キメェキメェキメェ」
貴「何回言うんだよ！それでもオレはお前が好きだから諦めろよ！！」
怒りながら小っ恥ずかしいことを言ってのけるAのことが、さっきよりも急に身近に思えて、どこか晴れやかな気持ちになる。
自分の軸が俺たちであると言い、出会わなかったもしもの世界なんてないと断言できるこいつは…その熱狂的な友情を軸に成長し続ける。
なるほど、俺がこいつについて理解していればいいのは、ただ単純にそれだけのことだったのか。
獄寺「…単純だな」
貴「ん？」
獄寺「テメーが馬鹿で安心したって言ったんだ」
不安だったのは、ヒットマンとして動き出し裏社会で成長していくお前が…俺たちから離れていくこと。
理解できたのは、お前が絶対に俺たちから離れていかないこと。
貴「獄寺よりは成績良いのに、バカ呼ばわりは心外だ」
獄寺「うっせ！期末テストでは絶対に負けねえからな！！」
貴「じゃあ次のテスト、お前が負けたら原作のお前のセリフ朗読させるから」
獄寺「ならお前が負けたら、10代目の活躍シーンだけを集めたダイジェスト版アニメ作ってもらうからな」
貴「お前もやることが白蘭と同じじゃねーかよ！」
口論をしながらまた少しだけ深まる俺たちの仲。
穏やかな秋の昼下がりに交わした約束のせいで、俺が自分の過去のセリフを録音されることになるのは、また別の話だ。
姫の目覚めは午前0時 1 【中3 夏】→←ファナティック 5
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
