ファナティック 5 ページ22
貴「…視線が痛いんですけど。
なに、見惚れてる？」
Aが俺の視線に気づき、構わなかったことを謝るような苦笑いを浮かべながらも、からかうようにそう言った。
貴「獄寺もオレのファンデビューするか？」
獄寺「お前のファンになんか絶対ならねえ。
死んでもならねえ。生きててもならねえ。」
貴「ははっ、そんなに強く否定されると、オレのファンクラブ会員362人の立場がないな」
獄寺「ゲ。そんなにいるのかよ…
風紀委員会よか多いじゃねーか」
貴「なーんか体育祭から増えたみたい。
会員証みたいなのまでできててさ。」
獄寺「お前みたいなチンチクリンがなんでそこまで人気なのか、ファンの感性を疑うぜ。」
貴「うわ、全否定。どーして獄寺はそうオレを下に見たがるかな」
俺の皮肉を指摘して真意を問おうとするAに、俺はすぐ「お前が俺より下だからだ」と返そうとして…やめた。
別に俺はAのことを下に見てはいない。
むしろ…
獄寺「…お前が目の上のたんこぶだからだ。」
未来の戦いの時からこいつはそうだ。
1人で泣く10代目に寄り添い、支え合い、代理戦争ではリボーンさん以上に10代目と分かりあった。
今は右腕に興味がないというこいつが、誰よりも右腕に近しい存在であるから…俺はこいつを見るたびに焦る。
獄寺「飄々として、まじめかと思えば軽くて、つかみどころがなくて…そんなお前のことが、俺は出会った時から目障りなんだよ」
素直というよりはストレートに、『悔しい』を『目障り』と言い換えて毒をぶつけた。
でも、Aは少し驚いたように目を丸くして…はははっ！とさっきよりも大きく笑う。
貴「お前はオレのこと、つかみどころがないと思ってるのか。そんなの初めて言われたよ」
獄寺「あん？誰がどう見てもお前は分かりにくいだろうが」
貴「そうかな〜。オレは獄寺より単純で分かりやすい人間だけどな」
だっれが単純だ！！と言い返す前に、Aは静かに己の単純さを明かした。
貴「オレの最初の軸は、お前達のファンだってことなんだよ。」
獄寺「…あ？お前がファンなのは作品の中の俺たちだろ」
貴「そうさ。作品の中のお前達への好感が、この世界へ来たことで全部友情に変わった。
オレは皆が好きだ。作品の中で見る以上に必死で温かくて覚悟を持った皆が好き。
オレの軸は『皆が好き』からブレたことないんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
