追いかけっこは終わらない 5 ページ13
たしかに僕が行かなければAは悲しむだろう。
けど、このまま言うことを聞かされるのは僕のプライドが許さない。
第一、Aと沢田の距離が近づこうが
僕はAを諦める気なんかないんだ。
沢田と近づいた分だけ、僕はAを振り向かせればいい。
風(そう来ますか…まったくこの男は、扱いやすいようで扱いにくいというか…)
ようやく表情を変えて困り顔をした彼からそっぽを向くと、その時、応接室のドアがゆっくりと開いた。
Aが戻って来たのだと察し、そちらを見ると…
貴「あ、あの…使用しろって、こういうことですか…？」
不思議そうな顔をしたAが、その姿をセーラー服に変えてそっと応接室に入って来た。
雲雀「！」
一目見た瞬間、ピシャーンと雷で打たれたような衝撃が僕の脳裏を駆け巡る。
貴「なぜこんな服を着る必要が…」
風「さあ？私にはリボーンの考えることはよく分かりませんが…とてもよく似合っていますよ。女性らしく、年相応な健やかさがあって、とても魅力的です。」
貴「そ、そんな褒められたら…へへ」
照れくさそうに頬を染めたAが半回転して、その紺色のスカートを少しだけ靡かせる。
サラシは外していないらしいが、それでもAは十分に女の子らしくて…胸の赤いリボンを結び直す彼女がいつもより光って見えた。
雲雀「か…」
思わず溢れそうになった言葉を、理性が咎める。
貴「か？蚊、いるんですか！？
まだそんな季節じゃないのに！」
パッとあたりを見ながらAがクルクルと回る。
自分の口からこぼれそうになった、似つかわしくない言葉はもう何かわかってる。
雲雀(…………可愛い)
負けを認めるように胸中で呟いた。
半袖のセーラー服を着た新鮮なその姿は、以前着てきたウチの女子制服以上の破壊力を持って、僕から言葉を失わせる。
貴「蚊…いなくなったみたいですね。」
こちらをようやく見たAが、無表情のまま固まっている僕に気づき…ふわりと笑った。
貴「なんか、学ランの雲雀さんと、ある意味1番似合う服装ですよね。」
…もしAが3年生でなかったら、僕は来年度から無理やり並中にセーラー服を導入したに違いない。
雲雀(なるほど、色仕掛けで釣るってわけ。)
赤ん坊と…赤ん坊の目的はわからないと嘯いた風に一杯食わされた気持ちになって悔しくなる。
けど、この威力に抗う術を僕は知らない。
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千景 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年8月15日 13時) (
レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！ (2018年6月7日 1時) (レス) id: 9b1390adf3 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ギャグにするの忘れてた（白目） (2018年4月28日 22時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - 明日から5月中旬まで忙しいので更新はゆっくり目です (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - しらすさん» 白蘭と近くなったけど、ツナとすごく遠ざかったわけではないと言う感じですね。ツナの隣が落ち着くことには変わりないけれど、それが『特別』ではないと言った感じです。ここからどうなるか気になりますね〜！ (2018年4月22日 19時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：・
| 作成日時：2018年4月22日 14時
