6話 ページ7
「A三ツ谷と知り合い?八戒とも仲良さそうにしてんね」
「よぉA」
やけに親しげに話し掛けてきた金髪の2人組。
「クロ2人と知り合い!?」
世間って狭い、と驚く柴の坊ちゃん。
はて、こんなインパクトのある人間と親しかったっけか?
「あ、どうも」
「すっげぇ他人行儀!初対面みたいな反応じゃん」
うーん?
頭を捻るもポンコツな脳みそは自分の対人関係の記憶を呼び戻さない。
「……悪い2人共。いつ会ったかオレは分かんねぇけど、多分此奴お前らと会ったこと覚えてない」
隆が呆れたように此方を見る。
「は?会ったの昨日だぞ!?」
「連絡先も交換したよね?Aの脳みそポンコツすぎね?」
「Aはそういう奴だ」
「オレなんて未だ名前で呼んでもらったことない。割と長い付き合いなんだけど」
おらA何か思い出せ、と隆が急かしてくる。
片方は小柄な金髪……片方はこめかみに刺青……。
…………────────。
「…………あぁ、うんうん思い出した」
確かたい焼き買った帰りに会ったなと昨日の光景を思い出す。
いやぁ参った参った。隆がいなかったら思い出す努力もしなかったよ。
「でも名前が思い出せない」
「ポンコツ」
「うるせぇ静かに」
お前今日すっごい心抉ってくるね。カルシウム足りてないんじゃ……?
はっ……!だから身長もギリギリ170に届いてない……?
哀れみの目を向けたら今度は背中を蹴られた。
ふっつーに痛い。加減しろよバカ。
「坊ちゃーん。今日の隆意地悪すぎて心身共にボロボロだよ」
「クロが悪い」
どうしよう味方が誰もいない。
急募、黒脛Aの味方。
「ったく……オレは佐野万次郎!!マイキーね。今回で覚えろよA」
「龍宮寺堅。ドラケンの方が覚えやすいか?」
「マイキーとドラケン……うん、分かった」
ところで何で皆揃って同じ服を着ているの、と尋ねれば信じられないものを見るような目で見られた。
後から聞いた話だと彼らは東京卍會という暴走族の集まりで、今日はその集会を開いていたらしい。
オレ達説明したよな?と隆と柴の坊ちゃんに責められた話は、自分のポンコツさが露呈してしまうので割愛させていただこう。
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作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時