検索窓
今日:25 hit、昨日:1 hit、合計:172,285 hit

31話 ページ32

えー、はい。調子乗りましたごめんなさい。

過去の自分をぶん殴りたい衝動に駆られる。

現在地、人気のない公園。

あの後しっかり半間君に殴られて蹴られた。啖呵切ったのにこのザマだ。

殴られた頬は腫れ、蹴られた腹には青黒い痣。

おまけに宣言通り根性焼きもやられた。しかも見えない所に。いい性格してるね半間君。

タケミっち君は、って?知らん。多分置いてきた。ごめんねここ最近扱いが雑で。

でも今回は大目に見てくれると嬉しいな。自分のことで精一杯だったんだ。

「あー」

口の中切った。痛い。

そもそも自分の荷物はどうなった。

……何か考えるの面倒になってきたな。取り敢えず明日学校サボっちゃえ。

完全なる思考の放棄である。

「うーん此処から家まで30分くらいか……?」

歩きたくない。バスかタクシーに乗りたい。何よりも腹減った。

何て悶々と1人で考え込んでいるとバイクの排気音が聞こえてきた。

…………あれ、これもしかして隆のバイクじゃね?

「Aッ!!!」

「あ、やっぱり隆だ」

案の定バイクは隆のだった。公園の入口にバイクを止めた隆は此方に走り寄ってくる。

「何してんだテメェ!!荷物置いて勝手に……消えやが……って…………」

「隆?」

「この怪我どうした」

頬を腫れ物に触るように手の甲で撫でる隆。

如何せん文字通りの腫れ物である。この触り方は痛みが走らないので非常にありがたい。

「自分の不注意で転んだ」

「誰にやられた!?言え!!」

珍しくキレている隆が自分の肩を思いっきり掴んできた。

やめてくれ隆。そこ羽宮君に掴まれた部分だから地味に痛いんだよ。

「っ……!人の話聞こうぜ隆」

「転んだ先にたまたま火ィ付いたタバコがあったって?ふざけんのも大概にしろよA」

「うぐっ」

何と運の悪い。根性焼きを見られてしまったようだ。

言葉に詰まって思わず目を逸らすと今度は腕を引かれる。

「んのバカが!!」

そしてそのまま抱きしめられた。

「知らねぇところで巻き込まれてんじゃねぇよ!」

「ごめん」

「生きててよかった……!!」

「大袈裟な」

よしよしと隆の背に手を回す。

「前科ある奴が何言ってんだ。取り敢えずお前ん家行くぞ」

そこで詳しく話聞くから、と笑顔で言った隆の目は全く笑っていなかった。

……南無三、未来の自分。

32話→←30話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (141 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
311人がお気に入り
設定タグ:東京卍リベンジャーズ , 東リべ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。