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19話 ページ20
寒い。ただただ寒かった。
痛い、熱い、寒い、痛い。
ハウリングのような高い音が脳内に響く。
広がるのは赤。
壁も床も服も何もかも、赤く染まっていく。
笑ってしまう程に下手な自分の息遣い。
かひゅ、と喉から声にならない音が鳴る。
硝煙の匂いが充満した部屋に自分以外の人間は、もういなかった。
呆気ないとはこのことか。
「ぅ、ん………………さむ、い……」
部屋に響く自分の声が虚しく感じた。
機能が止まる。
思考が止まる。
色が消える。
緩やかに、静かに、確実に。
「ご……め…………ん…………」
誰への謝罪か。気付けば口から発していた3文字。
「ねむ……い…………────────」
目の前が真っ暗になった。
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作者名:雨野夜都 | 作成日時:2021年8月24日 5時