My Love>Your Love5 ページ5
1時間後。二人は工藤邸に戻ってきていた。
昴はソファーに座り足を組んでいる。
向かいでさくらは小さくなってソファーに
座っていた。
「さて、りお。どういうことかちゃんと
説明をしてください。」
「ハイ…」
威圧的な昴の顔を見て、りおは肩をすくめて話し始めた。
「じ、実は…SNSなどの出会い系で知り合った男に、暴行される事件が最近多発してて…。
その中には行方不明になっている女性もいるの。その数は今月に入ってすでに3名。組織的な犯罪の可能性もあったため、今回潜入捜査をすることになって…。」
そういえば、ニュースにもなっていた。若い女性が忽然と姿を消しているため、事件性が高いと言われていた。
「今回行方不明になった女性たちが、消息を絶つ直前に会っていたと思われる男と、会う約束をしたのよ。
そしたらなんとウチの大学の学生だった。
向こうは私を知っていたの。
私も顔くらいは見たことがあったから…。
とりあえず本当にこの男が行方不明の女性たちと接点があるか、確かめていたんだけど…。」
「ほう…。なるほど。公安の潜入だったわけですね。ですが…その大学で顔を知っている程度の男と、いきなり公園でキスするんですか?」
昴の目はかなり怒っていた。
「そ、それは…向こうが『前から好きだったんです』っていきなりコクってきて…。詳細をまだ聞き出していなかったから、仕方なく相手の流れに乗ったらそうなっちゃったワケで…。」
「で、その流れに乗ってホテルへ?」
「行方不明の女性たちも、どうやら男とホテルへ行ってるの。その後の消息が途絶えているので、ホテルで何かあったと考えていた。
だからホテルに誘ったのよ。」
りおがホテルに誘ったと聞いて、昴はピクリと体を揺らした。
「で、どうだったんです? その男は。」
「睨んだ通り、男は女性に薬を盛って行為を楽しんでいたの。ちょっと過激な性癖もあって…。どうやら行方不明になった女性は、薬による急性症状を起こした。それで困って…」
「殺した…?」
「ええ…。残念ながら…。」
りおは目を閉じ、一つため息をついた。
その表情は辛そうだった。
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月22日 13時