ニンジンサラダ1 ページ36
「ニンジン嫌いを直したい?」
工藤邸のキッチンで、目を丸くして驚きの
声を発したのはりおだった。
「ええ。あ、でも私じゃないですよ。
少年探偵団から相談されたんです。」
ああ、そういう事ね…りおが納得する。
「てっきり昴さんがニンジン嫌いなのかと
思ったわ。肉じゃがにもカレーにも入って
いるのに…ってびっくりしちゃった。」
エプロンの紐を結びながら、ホッとしたように
答えた。
「でも、子ども達どうしてそんなことを?
5人の中にニンジンが嫌いな子でも居たかしら…?」
何度か食事を一緒にしているが、そんな話は
聞いたことが無かった。
「どうやら、探偵団に相談があったよう
なんですよ。」
クスクスと笑いながら昴が教えてくれた。
街の困りごとを聞いては、持ち前の行動力と
コナンの助けで解決している少年探偵団。
今回の依頼主はクラスメイト。
学校で給食週間が間もなく始まり、
各クラスの残飯を減らそうキャンペーンが
開催されるようだ。
どうやらクラスに迷惑を掛けないように、
今のうちから嫌いなニンジンを克服したいと
探偵団に相談があったという。
「少年探偵団の依頼は多岐に渡るわね…。
さすが《困った人の味方》ね。」
「ええ。さすがに今回の依頼は私にも難解で。
りおに相談したというわけです。」
エプロンを掛けてニンジンを手にした昴が、
困ったように笑っていた。
「なるほどね。ニンジン嫌いか〜。
匂いが嫌なのかな。ニンジン嫌いな子は
あの独特な《泥臭さや青臭さ》を嫌がる子も
いるわ。」
そういって昴からニンジンを受け取る。
「ニンジンの品種を選ぶのも手だけど…。
《ベータリッチ》とか《ミニキャロット》は
特有の匂いも抑えられているし、甘いのが
特徴ね。でもスーパーではあまり見ないかも…。
お店で良く見かけるのはこの《五寸ニンジン》
かしら…。とりあえず、これでサラダ作って
みましょう。」
りおはそう言うと、まな板と包丁、
スライサーを準備した。
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月22日 13時