番外編：ペリドットとアンバー短編集3【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ4)

今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:39,116 hit

My Love＞Your Love4 ページ4

　しばらくすると、遠くパトカーのサイレンが聞こえてきた。
『どこかで事件か？』
近づいてくるサイレンの音を、他人事のように聞いていた。

　やがてサイレンを鳴らしたパトカーが数台、ホテルの通りに姿を現す。
『ホテルの入り口で立ち尽くしていたから、もしかして通報された？！』
自分を迎えに来たのかと、昴は焦った。

　パトカーはさくらが入っていった
ホテルの前で止まる。
ドアを開け、出てきたのはなんと
風見刑事だった。
「ッ！沖矢さん！あなたこんな所で何を…」
昴の姿を見つけた風見は、驚いたように
声を掛けた。
「えっ！な、何を…と言われましても…。
風見さんこそ、どうして…」
明らかに挙動不審な昴の姿に、風見は
ピンときた。
「私は通報があって来たんです。
どうやらあなたも関係者のようだから、
一緒に来てもらいましょうか。」
「は？」
《関係者》と言われて、まったく何のことだか分からない。そんな事はお構いなしに、風見に誘導されて昴はホテルの中へと入った。

　３階のとある部屋に、ホテルのスタッフに
案内されて風見と一緒に向かう。
『通報があった？さくらが通報したのか？』
状況が分からぬまま、目的の部屋に着いてしまった。

　風見が部屋のドアをノックする。
「警察だ。入るぞ。」
そう声を掛けると、ドアを開けた。
風見と二人で部屋の中に入る。
するとそこには…。
ベッドの上にパンツ１枚の男が伸びていた。
「！？？」
昴があっけにとられていると、
「風見さん、ありがとうございます。」
聞き覚えのある声が聞こえた。
驚いて振り返る。
そこには服が乱れたさくらが居た。
「さ、さくらッ！！」
昴は思わず叫んだ。

「あ、昴さん。お疲れ様。
出入口見張っててくれたんでしょ？」
そう言ってウインクをした。
「え？！あ……は…い…。」
何のことだかさっぱり分からなかったので、
曖昧な返事をした。
「広瀬！と、とにかく服！何か羽織れ！」
制服の警官が数名部屋に入ってきた為、それだけ言うと風見は指示を出しに席を外した。
それを見て昴はさくらに近づくと
小声で話す。
『ちょっと、さくら！どういうことかちゃんと後で説明してください！』
『ははは…分かってますって。』
さくらは上着を羽織りながら、バツが悪そうに微笑んだ。