番外編：ペリドットとアンバー短編集3【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ22)

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思い出の…２ページ22

「あ。そういえばさくらさん、
アクセサリー教室に通うみたいだよ。」
蘭から聞いた話を報告する。
「アクセサリー教室？」
「うん。蘭姉ちゃんのクラスメイトの
お姉さんが、アクセサリー作家さんなんだって。
先日偶然さくらさんと駅で会って、一緒に
カフェに行った時にそんな話になったみたい。」
「さくらがアクセサリー教室ねぇ…」
アクセサリーは自分には似合わないからと
一つも持っていないと言っていたが。
「何かその作家さんの作品で心惹かれた
ものでもあったのですかね？」
「さぁ…。どうなんだろうね。」
女心は分からないな…と二人は顔を見合わせた。

　女心が分からない男達をよそに…
さくらはさっそく蘭たちに紹介してもらい、
教室の予約をした。
とても気さくな先生で、さくらの予定に
合わせてくれたので、二日後には教室に
お邪魔する事になった。

　「じゃあさくらさん。始めましょうか。」
「はい先生。よろしくお願いします。」
ショートヘアの優しそうな先生が、さくらの
前で微笑んでいる。

　「実は、これをアクセサリーかチャームに
したいんです。」
さくらは自分のバッグから《ある物》を取り出す。
「まあキレイ！これならステキな作品が
出来そうね。穴を開けて作ることも出来るし
、開けずに作ることも出来るわよ。」
「あ～…穴は開けたくないです。」
さくらがさっきより小さな声で答えた。
「とても…大切なもの…なのね？」
さくらの表情を見た先生が優しく尋ねた。
「はい。」
そう答えた顔は、ほんの少し赤みがさしていた。
「分かったわ。穴を開けない方法で作りましょう。」
先生の言葉に、さくらはホッとしたように
笑顔を向けた。

*****

　「出来た…」
格闘すること1時間程…。
先生のアドバイスもあり、とてもステキな
ペンダントが出来上がる。
「シンプルだけど、さくらさんらしい優しい
作品になったわね。」
「先生ありがとうございます。すごく嬉しいです。」

　さっそく首にかけてみた。
出来上がったばかりのペンダントトップを
手のひらに載せると、さくらはそっと握りしめた。
『きっと大切な思い出が詰まっているのね。』
先生はさくらの様子を見て微笑んでいた。