疑惑5 ページ20
だがそれより気になったのは…。
「昴さんの左手…なんか違和感があったんだよね…。」
それが何なのか、今はまだ分からない。
「さくらさんのこと、絶対以前から知って
いるようだし…あの《沖矢昴》を調べた方が
良いかもしれない。」
世良はペロリと唇をなめた。
***
昴はソファーに腰かけ本を読んでいた。
向かいではりおも同じく本を読んでいる。
りおは何も言わなかったが、おそらく真澄は
自分《秀一》の事で何か思いをぶつけたのだろう。
そうでなければ、彼女があそこまで暴走
するとは考えにくい。
「俺は知らない方が良いと…そういう事か。」
何事もなかったように、穏やかな表情で
本を読むりおを見て昴は小さく息を吐く。
真澄には不憫な思いをさせているとは思っている。
彼女は一家そろって過ごした経験が無い。
父も長兄も、生まれた時にはすでにそばに
居なかった。まして3兄弟すべて苗字が違う。
それだけでも十分特殊な家庭だ。
寂しくないと言ったら嘘だろう。
「いつか今日の事も、笑い話となる日が来るさ。
家族みんなが揃う日が…必ず来る。」
昴は自分に言い聞かせるように心の中でつぶやいた。
==========
劇場版の特報で昴さんと真澄ちゃんが拳を
交えているシーンがありましたね。
アレを見てモヤモヤと妄想が…。
真澄ちゃんの『恋バナ』での推理も放置
しっぱなしだったので、今回の話に突っ込んで
しまいました。
どうやらこのお話…続いちゃいそうです。
またそのうちに…。
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月22日 13時