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愛しい君3 ページ39

 とりあえず服を羽織って、湯を沸かす。
「白湯が美味しいなんて初めて知ったわ」
「コーヒーもミルクも無い朝なんて久しぶりだしな」
ふたりで乾パンをつまみ、空腹を満たした。
白湯をゆっくり飲むと、じんわりと体が温まった。


 「さて、今日救助がくるのか?」
「さあ…お天気次第じゃないかしら? 雨は…今は止んでるけど…。
このまま回復って感じでもなさそうよ」
空を流れる雲は速く、風がざわざわと木々を鳴らしていた。
昨日より風は強い気がする。救助は来れるのだろうか?

 「遺体も雨に晒されたままだしな…。止んでいる今のうちに、何とかしてやらんといけないな…」
「ッ! 遺体を…?」

 りおの顔が一瞬苦し気に歪んだ。
「俺一人で大丈夫だよ。りおはここで待っていてくれ」
赤井は食事を済ませると管理小屋にあったブルーシートを持ち、準備をして出かけて行った。




 東屋から外れた道をしばらく行くと、木に掛けておいたバッグが見えてきた。
「ああ、あそこだな」
赤井は目印にしておいたバッグを見つけ、足早に近づく。

 昨日撃たれたままの遺体が、ずぶ濡れになって地面に倒れていた。
「なんとか雨だけでもしのげるようにしておくか…」
倒木から手ごろな大きさの枝をいくつか引っ張ってくると、遺体の周りに置いた。
そこにブルーシートをかけ、重しを置く。
通気を確保しつつ雨だけは避けられるようにした。
「とりあえず、その場しのぎではあるが…雨ざらしよりはマシだろう」

 踵を返し、りおの待つ管理小屋へと急ぐ。
東屋を過ぎたあたりでポツポツと雨が降り出した。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:aki | 作成日時:2020年1月3日 13時

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