ペリドットとアンバーvol.6【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ12)

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ピンチ２ページ12

　さくらは右手でウジンの右腕の掴み、必死に抵抗をする。が、男の力に敵うはずもなく、意識が次第に薄れていく。
(す…ば…)
霞む視界にぼんやりと、銃を構える昴の姿が見える。
もうダメだ…と思った時、昴の後方…倉庫の上に人影が見えた。
金色の髪が風に揺れている。

「請閉上眼睛(目を閉じて)！！」

　安室の声で中国語が聞こえるのと同時に、昴とウジンとの間に何かが投げ入れられた。
中国語の分かる藤枝とさくら以外、皆何事かと動揺するした。

　とっさに藤枝は昴に近づき、彼の目元を片手で覆う。
さくらはぎゅっと目を閉じた。

カッ！！！

　鋭い閃光があたりを照らす。

「うわぁああ！！」
「目が、目が見えん！！」

　閃光弾で目が見えなくなり、ウジンが怯んだスキにさくらは彼の腕を解き、昴の方へ走った。
「逃がすか！！」
ウジンがさくらを再び捕まえようと左手を伸ばした。
だが目がよく見えないため、その手は空を切る。

「チィッ！！」

ウジンの右手親指がスイッチにかかった。

　昴もさくらの方へ走る。
さくらの体を抱きとめると、そのまま右脇にあったコンテナの方へ飛んだ。

カチッ

スイッチが押された瞬間、ウジンや部下たちの体がカッと光った。

「みんな伏せろ！！」

藤枝が叫ぶ。
その直後激しい爆発が起きた。

ドゥオオン！！

　……

　しばらくして爆発の衝撃が治まり、藤枝やジョディたちが立ち上がった。
閃光弾で見えなかった目が、ようやく見えるようになってくる。

　「シュウとさくらは？」
ジョディはあたりを見回す。
「シュウ！さくら！」
二人の名を叫んだ。

「ここだ！」
昴の声が聞こえた。

　藤枝とジョディが駆けつける。コンテナの影で二人は無事だった。
「ゴホッゴホッゴホッ！」
さくらは激しく咳き込んだ。
「さくら！大丈夫か？」
昴はさくらの肩を抱き、背中をさする。
藤枝も「間一髪だったな…」と言葉を発したが、血の気が引いたような情けない顔をしていた。