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ベルモットの忠告1 ページ11

 りおは組織の自分の部屋に居た。
PCデスクの前に座り、藤枝のレポート捜索の状況確認をしていた。
現状でギムレットのレポートは発見できていない。
ラボのスタッフからもラスティーのPCに捜索依頼のメールが来ていた。

 サカモトのPCから調査済みの範囲を確認し、この後調べなければならない範囲を検討する。
PC画面にはいくつもウィンドゥが開かれ、それらがアンバーの瞳に映っていた。
軽快にりおの指はキーボードを叩き続けるが、やがてその動きは止まり、ため息が漏れた。



 コンコン

 ドアのノックが聞こえた。
ラスティーは席を立ち、相手を確認してドアを開けた。
「ハァイ。久しぶり」
ベルモットが差し入れを持ってやってきたのだ。
「ベルモット…」
そうつぶやいたが、ひどく掠れた声だった。

 ベルモットはその声を聞いて眉を寄せる。
手首には未だにうっすら残るアザ…。
藤枝のこともジンから聞いていた。
(やはりね。また無理をしているのね…)
ベルモットは瞬時にある程度の状況を察した。

 「ラスティー、働き過ぎは体に毒よ」
そういってテイクアウトのカフェオレにサラダボール、有名ベーカリーのパンをテーブルに
広げた。


 「あなたのそういうところ嫌いじゃないわ」
ラスティーは笑顔を見せる。
「あら、あなたのそういうところ大好きの間違いでしょ?」
ベルモットはおどけて返す。
二人で笑い合いながら食事をした。

 食後しばらくして、ベルモットが口を開く。
「ラスティー、あなた今回の仕事から手を引きなさい。
ジンには私から言ってあげるから」
タバコに火をつけ、ベルモットは続ける。

 「ギムレットが絡んだ仕事はするべきではないわ。
ましてや藤枝の恋人も余命僅かだというじゃない。
あなたの心のためにも手を引いたほうが良いわ」
ベルモットの忠告にラスティーは微笑んだ。

 「ありがとうベルモット。
でもね…実は私、ギムレットのレポートは本人によって削除されていると思っているの。
でもそれは私の勝手な推測。根拠も証拠もない。
早く裏を取って、このくだらない捜索ごっこを終わらせたいのよ。
存在しないものを探し続けるなんて、そんな無駄なことないでしょう?
無いと分かれば、藤枝も恋人のところに帰れるでしょうし…」
ラスティーの話を聞いていたベルモットは、タバコの煙をふ〜っと吐き出した。

ベルモットの忠告2→←すれ違う二人3



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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:aki | 作成日時:2019年11月18日 13時

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