博士の発明品3 ページ21
「ところが最近、その大事なモンをつけ狙う悪い虫がいるようだ」
ジンは安室の腹の中の事などまったく気にも留めず、ポケットから1枚のカードを出した。
「コイツは俺が囲っている情報屋だ。
さっき連絡が来て、ラスティーをつけ狙うヤツの情報を手に入れたらしい。
裏が取れたら会いたいと言ってきた。
だが俺は明後日からしばらく日本を離れる。
先日お前に調べてもらった相手と会うためにな。
代わりといっちゃあ何だが、その情報屋と会って話を聞いてきて欲しい。
その後の判断もお前にすべて任せる」
手渡されたカードには《深/ふかし》という名と連絡先が書かれていた。
「分かりました」
バーボンは顔色一つ変えずそう返事をした。
「何か分かったらラスティーにもお前から連絡してやれ。
今は俺の顔(ツラ)など見たくもないだろうからな」
ジンは無表情なまま、口にくわえたタバコをふかしていた。
翌日———
さくらはGPS付き腕時計をして大学へと出勤した。
「最近の機器はすごいわね。私の体調に変化があれば、自動でGPSがONになるなんて…」
腕時計を眺めながらりおは感嘆のため息をこぼす。
自分で提案をしておいてなんだが、四六時中居場所を知られるなんて、例え相手が昴だとしても出来れば遠慮したい。
(トイレにだっておちおち行けないわ……)
何かあった時だけGPSが作動するというのは本当にありがたいことだ。
どうやら博士に頼んで作ってもらったらしい。
この時計をはめている限り、さくらのバイタルは常にチェックされており《心拍》以外にも《呼吸》や《体温》もチェックできる優れものだ。
朝、『絶対外すなよ!』 と念を押されて出て来たことを思い出し、昴の心配性には頭が下がるわ……と再びため息をついた。
その日の夜――
「はぁ〜…。すっかり遅くなっちゃった」
今日は大学で職員による会議があり、帰宅がいつもより遅くなってしまった。
連絡はしてあるものの、昴も心配しているだろう。
(そういえば…会議中何度かメール来たなぁ…)
ふと、つい先ほどまでの会議を思い出した。
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aki(プロフ) - レムさん» ありがとうございます!レムさんも色々な方のお話をたくさん読んで研究すれば、きっと書けますよ。 (2021年4月4日 17時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
レム - akiさん» とても作品上手です・・ (2021年4月4日 16時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - はちみつさん» はちみつさん!いつもありがとうございます♪続編はちょっとドキドキがあるかも…です(笑)私も気合い入れて書きました。お楽しみに〜! (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
aki(プロフ) - レムさん» 劇場版をどう書くかは色々方法が有ると思います。私は純黒のその後ーという形で使いましたし、他の方のを拝読すると、劇場版の物語に上手くご自身のキャラを織り込んだ小説も有りました。是非上手な方の小説を読んで手法を真似てみるのも良いと思いますよ。 (2021年3月17日 16時) (レス) id: 7b3007e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - いつもワクワクするお話ありがとうございます!!続編も変わらず応援しています!! (2021年3月17日 13時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aki | 作成日時:2021年1月27日 10時