【クリムゾンクラン】裏稼業クランのプリンセス。

9話 ページ10

sideA

シャオが拗ねてるっぽい。

っぽいって言うのは、

シャオ｢……｣

チラチラ見てくるからよくわからんのです。

構って欲しそ〜…

でも、

A『ねえ、シャ…』

シャオ｢!!｣

逃げるんです。

ネコか。

人馴れしてない飼い猫か。

A『レオンあたりが変なアドバイスでもしたんでしょ。』

レオン｢俺？特に何もしてないよ。｣

特にってことは何かしらは吹き込んだな？

レオン｢Aとちょっと離れてみたら？って言ったら十暁の方が限界っぽいwww｣

笑うな。


あのー……

なんでしょうか。

シャオ｢……｣

距離は近くなったし、なんなら髪で遊ばれてる。

けど、

A『シャオ？』

呼ぶとどっか行く。

自分から折れるのが嫌なのかな？

ミズホ｢あら？何してるの？｣

シャオ｢別に何もして…｣

お手洗い行こ。


依頼か…

依頼メールを読んで、料金を決めて送信。

シャオ(どこ行った…？)

あー、私を探してるよ。

上の階の仕事部屋前から下が見えるようになってるからね。

でも、仕事部屋というか、2階に来ていいのは私が同伴している時だけ。

それを律儀に守ってるね。

A『シャオ。』

声に反応してキョロキョロしてる。

可愛いなぁ。

あ、気づいた。

あ、隠れた。

探してたのに。

A『あーあ。2階に来ても良いよって思ったけど、大人しく1階で待ってな。』

席に戻る。

シャオ｢……｣

そんな絶望感を感じさせる顔なんて見たことないよ。

A『気になるからリビングに行って。』

物陰から顔を出して横に首を振る。

A『シャオ。』

子犬みたい。

A『良い子だからリビングに行って。』

シャオ｢……ヤダ。｣

わーを。

A『シャオ〜…』

ミズホ｢あら、仕事？｣

おっ？

A『そうなの。ねえ、ミズホがシャオ連れてって。リビングに行ってって言っても聞いてくれないの。』

柱にそんなにしがみついて…

仕方ない、私が折れるしかないわ。

A『シャオ、リビングに行って。』

首を横に振る。

A『じゃあ、2階においで。』

凄いスピードで来た。

幸せそうに抱きついてねぇ。

A『よしよし。甘えん坊さん。』

シャオ｢……甘えん坊じゃない。｣

A『じゃあ、リビング戻って。』

私の服をギューッと掴んで、

シャオ｢甘えん坊で良い。｣

甘えてくる子を甘えん坊とは言わずになんて言うの？

私も甘々に甘やかしちゃうけど。

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