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数年前、初めてAに会った時、あの人に似てると思った。
俺がずっと片思いしてた人。
今はもういない。
その時のAはまだ未成年で、今より幾分か幼かった。だから、余計に似ているように思えたんだ。赤音さんが亡くなった頃と、Aの年齢が近かったから。
けど、よく見ると全然違った。
中身なんか正反対だった。
赤音さんはこんな風に積極的じゃなかったし、どちらかというと控えめで大人しいタイプで。
Aは完全に自分の道しか進まないって奴で、超がつくほど正直者。嫌なことはすぐ顔に出るし、嫌いな人にいい顔できない。
やっぱり全然似てねぇ。
成人して、どんどん大人っぽくなって、赤音さんぽかった雰囲気も少しずつ変わっていった。
Aは確実にAなんだ。
そんな彼女を近くで見ていたら、愛おしくならないわけがなくて。
けどごく偶に、Aを見ていて思い出してしまうことがある。
ふとした仕草や表情、流した目線が、時折少しだけ似ていると感じる。
そういう時、嫌でも赤音さんのことを考えてしまう自分は、多分完全には立ち直れていねぇんだろう。
出来るだけ顔に出さないよう努めてはいるが、気づかれている可能性はある。
だからこそ今日のAの行動は、自分がどれほど彼女を傷つけていたのか、俺に思い知らせた。
馬鹿だな、俺は。
Aのことを大事にしてきたつもりが、知らず知らずのうちに抉っていたんだ。
______Aが好き。
けど、まだ自分の中に赤音さんがいる。
そして、多分それは一生消えることは無い。
だからそんな自分がAを好きだと言っていいのか、その資格があるのかわからない。
Aはそんな俺に、いつも好意を伝えてくれる。怖いくらいストレートに。
嬉しくて仕方ないくせに、確実な言葉で安心させたりしなかったのは、幸せにできる自信がないから。
『ひっぱたいてごめんね……』
頬をさするその手を掴んで引き寄せる。
『赤くなってる……』
指を絡めて、自身の腕の中に閉じ込めた。
子供みたいに体温が高くて、抱きしめると俺まで熱くなる。
どんな栄養ドリンクやサプリメントよりも、Aの方が断然効く、なんてことは本人には絶対言えない。
「A」
『？』
「………なんでもねー」
だめだ、まだ言えねぇ。
どこまでも彼女に対して意気地無しな自分が嫌いだ。
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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (
レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます！決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2021年9月17日 18時
