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「へぇー、なんだお前意外と使えんのな」
『………っ、なんですか』
作業し始めて30分くらい経つ頃。
突然耳元で三途春千夜の声がして振り向くと、思いの外顔が近くて驚く。
ココくんとはまた全然違う雰囲気だけど、この人もよく見るとまぁまぁイケメンだな……。
まぁまぁ、ね。
「は、お前なに俺に見とれてんだァ?誰でもいいとかどんだけ欲求不満なんだよハハハ」
『っ、はぁ!?誰も貴方になんか見とれてませんから!私はココくんしか、』
「あーはいはい、"ココくん専用"な。さっさと残り片付けろよ〜」
"ココくん専用"をやけに強調して言う三途春千夜に、こいつ絶対変な想像してやがる、と怒りはヒートアップする。
あぁでも、こんな事にかまけていたらいつまで経っても終わらない!
無視だ無視……。感情を捨てて、今は残りの作業に集中するのみ。
*
『………終わりましたけど』
二時間後。もっと手こずるかと思ったが、案外早く片付いた。
そして、三途春千夜はと言うと……。
「おー、ご苦労ご苦労」
ソファに寝転がってスマホゲームをしていた。
くっそ、ホントにむかつくこの人!
人に散々面倒事押し付けて、自分はゴロゴロしてるとか何様だよっ。
でもNo.2だから言えないし。
あーあ、ココくんだったらいいのに。
「なんだぁー?九井じゃなくて不満ってか?相変わらず生意気な奴だなハハハハハ」
『……もう、いちいち癪に障るんですけど』
それにしても今日の三途春千夜はやたらと機嫌がいいな。さっきから笑ってばっかり。
『今日なんでそんなに機嫌いいんですか』
「…………」
あれ、黙っちゃった。
ぼんやり天井を眺めて何かを考えているよう。
『三途さん?』
「……お前ちょっとこっちに来い」
『……?』
言われるがままにソファの側まで行く。
三途春千夜の目が私に焦点を当てる。
長い腕が伸びてきて、私の腕を捉えた______。
『_________!?!?』
え、なになになに、どういうこと?
今の一瞬で、私の身体は少々雑にソファに引きずり込まれ、そして見事に三途春千夜の元にダイブした。
「………俺がいいって言うまでここにいろよ?」
耳元で囁かれる声は、いつもの私をバカにするような声ではなくて、ちょっと低めの落ち着いたトーン。
後ろから抱きしめられる形で密着してくる三途春千夜に、頭が混乱して声が出なかった。
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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます!決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2021年9月17日 18時