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次の日。
結局昨日寝たのは2時を回っていて、まだ頭がぼんやりする。
久しぶりにココくんの隣で眠ったのに、変にドキドキしてよく眠れなかった。
でもココくんの隣はやっぱりあったかくて、安心した。
シャワーを浴びて、無機質な廊下を歩いていると。
「おい、女」
『……?』
空いた扉の内側から誰かに呼ばれ、一瞬自分のことかわからなくて辺りを見回す。
「お前以外に誰がいんだよ馬鹿」
馬鹿とは失礼だな。イラッとしながら部屋を覗けば、私がこの組織で最大に苦手な男が椅子にふんぞり返って此方を見ていた。
『………さ、さんずさん』
珍しい、この人が私を呼ぶなんて。
なんだろうと恐る恐る近づくと、座れと言われて腰掛ける。
『私になにか用ですか』
「お前さー、これどうにかできる?」
書類を差し出されてざっと目を通す。
主に会計処理の内容だった。
『理解はできますけど、なんでこれを三途さんが?こういうのって普段専門の人がやるんじゃないんですか?』
「あー、今いねーんだよ。そいつ梵天裏切ったんで昨日死んじまったわハハハ」
『……』
聞かなきゃよかった。
おかしいと思ったよ。この人が私に話しかけてくるなんて。しかも書類を見る限り結構な重要な内容っぽいし。
そんなものを易々と私に見せるなんて、裏があるに決まってるだろ。
『……え、えっと。じゃあ私にこれを片付けろってことですか?』
「そーいうこと。お前も案外たまには役に立つってことを証明してみせろ」
何がそんなに面白いのか知らないけど、ニタニタ笑う三途さんに腹が立つ。
……ったく、いちいち癪に障る言い方だな。
ほんとこの人嫌い……。
『……わかりましたよ。あと、お前じゃなくてAです』
「あ?うっせーな。んなことどーでもいいだろ。九井のオモチャが生意気言いやがって」
……っ、なんってムカつく人なの!
けど、この人に言い返すのも時間の無駄だ。
言いたいことは山ほどあるけど、ひとまずここは無視を決め込もう。
私は三途さんをキッと睨んで書類を雑に受け取ると、置いてあったパソコンで作業に取り掛かった。
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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます!決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2021年9月17日 18時