上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ9)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:75,675 hit

第8話ページ9

エースが白ひげ海賊団の一味になってからの手配書を初めて見た時、

…なんでこいつ、服着てないんだろ…

そんなどうでもいいことを思ったのは記憶に新しい。

そのときは戦闘中に燃えたのか、あるいはたまたま暑くて脱いでいただけだと思っていた。

しかし、実際エースに会ってようやく理解した。

10年前旅立っていった時にはなかった、背中の青刺。

白ひげの旗のマーク。

それを、…言い方は悪いが…見せびらかしたかったのだろう。

これまでの旅で、エースが何を見聞きし、何を感じたのかは私が知る由もないが、ただ一つ、白ひげに何か特別な思いがあることは感じ取れた。

海賊王になると言っていたのに、などと責める気はない。

エースは自由の海賊なのだから、好きにやればいい。

それに四皇の元なら、私たちと戦うこともほとんどないし。

戻ってくると、3隻分船が増えていた。

「…ありゃ？海軍、まだ帰ってないの？」

「あっ、お帰りなさい下等官！それがちょっと、話があるとかで…」

「私に？」

「はい。青雉大将がお待ちです。」

私と青雉大将…もといクザンはサボり仲間として割と親しい間柄ではあるが、それだけだ。

仕事で関わったことなんてない。

「話って何です？」

「…」

「…あの」

「「……………」」

「………起きろクザンー！！！！！」

「「呼び捨てしたー！？！？」」

「…ん～～～？…あ、Aちゃん」

「何寝てるんですか！話あるんじゃなかったんですか！？」

「え、まぁそうだけど…。…さっきみたいにタメで話してくれないの？」

「「そこかよ！！！！」」

「仕事なんで」

無理ですね、と目で訴える。

海兵も水士もうるさ…じゃない、ノリのいいやつが多いな。

「あらら、振られちゃった」

「そんなこと言ってないで用件をどうぞ」

こちとら早く仕事終わらせて寝たいんじゃ。

「俺たちが追っている海賊の話」

「あぁ、マルコが倒したって言ってましたね」

「実はその海賊たち、ヤミヤミの実を持っていたんだ」

「え？ということは、悪魔の実のためにここまで…？」

「だが恐らくあいつらに取られた」

「と、取られたって…いいんですか？」

「良くはないけど…ここであいつらと戦っても俺たちにメリットがない。」

「…確かに、もう食べられた可能性もありますしね」

「だからAちゃんに…」

「？」

「その…なんだ、忘れた」

「「ぅおいっ！！」」