上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ31)

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第28話ページ31

「し、“白ひげ”…！！？海賊“白ひげ”の一味か…！！？」

「そういやあいつの背中のマーク見たことあるぞ…！」

「なんでこんなとこに…！？」

スモーカーの一言で、店内が再びどよめきたつ。

「…お前も、なぜここにいやがる…A下等官」

「下等官！？あの嬢ちゃんが！？」

「でも、コート着てないぞ！」

「ま、まぁこれには訳がありまして…。仕事なんだけど、ちょっと違うっていうか……」

話すと長いから適当にはぐらかす。

「…まさか、またそいつと兄弟だとか言うんじゃねぇだろうな」

エースと私を交互に見て、躊躇いがちにそう言った。

しかし残念ながらその通りだ。

「そのまさかです。…えっと、やり合うならお二人で勝手にどうぞ」

私は無関係です、という姿勢を崩す気はない。

スモーカーは呆れのような、怒りのような、絶妙な顔をしながらため息をついた。

それをエースは鼻で笑う。

「Aはこう言ってるぜ。…で？俺はどうすりゃいい…？」

「大人しく捕まるんだな」

「却下。そりゃゴメンだ」

「俺ァ今別の海賊を探してるとこだ。お前の首なんかにゃ興味ねェんだがな…」

「じゃあ見逃してくれ」

「そうもいかねェ……俺が海兵で、お前が海賊である限りな……！」

至極真っ当な理由で、スモーカーは拳を構えた。

ん？

待て待て、ここでやるの？

ちょ、ちょっとそれは海衛府、見逃せませんけど……！？

「ちょいちょい、スモーカー君？？ここでやらないでね？」

「ははは！二人とも固いこと言うな。楽しくいこうぜ」

こっちは楽しくて仕事してるわけじゃねーんだよ！

そうツッコミを入れようとした、その時だった。

「ロケットォー！！！」

「「！？」」

ルフィがエースを巻き添えにしながらスモーカーを殴り飛ばし、壁を突き破って入ってきた。

「うはー！！！メシ屋だ！！腹減ったー！！」

「「………」」

ルフィの登場の仕方も問題だが、さっきまで店の緊張感を高めていたエースとスモーカーを殴り飛ばしたことで、周りは呆気にとられている。

「おっさんメシメシメシ！」

「あ、ああ…でも君、逃げた方が……」

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「うっっっっめぇーー！！なんてうめぇメシ屋なんだここは！！」

私は壁に空いた穴と、ルフィの食事を黙って見つめることしか出来ないでいた。