上善水の如し［ONE PIECE］ (ページ20)

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第18話ページ20

「ゾロ！サンジ！ウソップ！ナミ！
………悪ィ、俺、死んだ」

「わ、笑った…？」

ルフィの首がバギーによって切り離されそうになったその瞬間、落雷が処刑台に落ちた。

………ピシャッ！！！

「やっぱ生きてた。もうけ！」

「マ、マジ…？」

処刑台の上で笑って最後を迎えたという、海賊王ゴール・D・ロジャー。

それを彷彿とさせるようなルフィの笑顔と、度胸を認めるかの如く落ちてきた稲妻。

…やっぱりルフィは大物になる器があるんだ。

急いで弟の元へ駆け寄る。

「Aはどうしてここにいるんだ？」

「仕事でちょっとね」

「ふーん。それにしてもさっきの技スゲーな！水がブワーッ！ってなるやつ！Aも変な実食ったのか！？」

「そうだよ。ほとんど事故だったけど」

私がこの悪魔の実を食べた経緯は後ほど説明しよう。

話すと長くなる。

「残った海賊共を捕まえろー！」

「「うおおおおおお！！」」

話して間もないうちに、近場で待機していたらしい海軍が波のようにやって来た。

なんかいつも兄弟の感動の再会を海軍に邪魔されてないか？？

「おいルフィ！俺たちもさっさと出航するぞ！」

「マリモ野郎、そっちじゃねぇ！」

「ん～～～、悪いA。今忙しいんだ。」

「そうらしいね。ローグタウンに来たってことは、ルフィも偉大なる航路(グランドライン)に入るんでしょ？見送らせてよ」

「分かった！じゃあ一緒に行こう！」

「よしっ」

「おい待て、どこに行く」

振り返ると、片手でバギーを縛り上げたスモーカーが立っていた。

「どこって…港だよ？」

「海賊を黙って見過ごすヤツがあるか！」

「だって弟だもん…」

「関係ない。お前は海衛府だろう」

そんな細かいことは気にしなくてもいいじゃないか。

そもそも暇で上等官の仕事について来ただけだし。

……でも上官にチクられる(そんなことしないと思うけど、万一)と困るから、形だけでも足止めすることにしよう。

「というわけでルフィ、久しぶりに遣り合おうか」

「何でだよ！！味方じゃなかったのかよー！！」

「ルフィの味方だけど海賊の敵だから」

「意味わからん！」

そういうなよ、と宥めつつ戦闘態勢に入る。

ぶっちゃけ弟とこうして戦うのは3年ぶりだから、どこか楽しみにしている自分がいる。