ある意味奇跡 (ページ20)

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お決まりのパターン…………じゃないのは1人だけページ20

今日は魔法騎士団と王族貴族の社交パーティー

いつもは気が重いけど今日は違うわ

あぁ、会えるのが楽しみ

「随分と機嫌がいいな」

横にいるノゼル様が言う

「そう見えますか？」

態度に出しているつもりはないけれど

そう見えるのかしら

「いつもは嫌がるのにな」

そうね、でも

「今回は特別ですから」

そう、特別なの

いろんな人から声をかけられる

「ごきげんよう、A。ノゼル様も」

「ごきげんよう、エミル」

「王の側近の娘だったな」

「はい、エミルと申します

Aとはアカデミーで同じだったんです」

「そうか」

「それにしてもこの度はおめでとうございます
A昔から綺麗で優秀だったので誰が射止めるが噂になっていたんですよ」

あー始まった

私を持ち上げつつノゼル様と話をする

いつものエミルとやり方だ

敵を作らない

悪口を言わない

でも絶対

気に入らない奴を追い込んでいく

味方を作って自分を守らせて

いつまでたっても変わらないのね

こういう優しそうに見える人間に男は簡単に引っかかる

「よう、王族サマ」

漆黒の髪と目

一目でこの国出身ではないことがわかる

ヤミ・スケヒロだ

エミルと挨拶中にやってきた

「貴様そんな服装でよく来れたな」

「いちいちうるせぇな。そもそもなんたって魔法騎士がこんなもん出なきゃならねぇんだよ。

他にすることあるんじゃないの？」

物事の見方が違う

面白い人

「貴様のような男は初めからお呼びではない

とっとと失せろ、異邦人」

「うるせぇよ、変な前髪しやがって」

うわっすっごい気が合いそう

ますます仲良くなれそうな気がする

「ヤミ、こっちおいで」

「へぇーい」

「申し訳ありません、ノゼル様A。
私もお父様と挨拶周りに行かないといけませんので」

「えぇ、また今度ね。エミル

ヤミ様もまた今度。ぜひ異国のお話聞かせてください」

2人ともそれぞれ離れていく

さっきから無言のノゼル様

でも視線がうるさい

「………何か？」

「………お前はあいつに会いたかったのか？」

会いたかったか………

そうね

「えぇ、そうですの」

思わず笑みがこぼれる

そう、会いたかったの

会えて良かった

いいえ、正しくは会わせてよかった

あなたとエミルを

これからが楽しみだわ