36 ページ36
『でも下手したらこの作戦の責任は全部グルッペンに向いちゃうし、そうしたら越権行為でグルッペンだけ処罰を受ける事になるよ!』
今までどれだけ僕が訴えても涼しげな顔で受け流していたグルッペンだけど今回は違った。ざくろ色の瞳は鋭く光り僕をジッと見つめている。
彼はキングの駒を持ったまま僕に近付いた。身長差もあってか見下ろされていて目を逸らしたくなるけれどどうにか耐える。
gr「リアン、人には果たすべき役割がある…俺の役割はこれだ」
『・・・分かったよ。グルッペンがそこまで言うならそれに従う、決行はいつ?』
すると彼は再び笑った。
そして定位置に戻ると持っていたキングの駒を地図上の城の位置に叩きつけるように音を立てて置くと言った。
gr「本日!用意が済めば直ちに‼」
グルッペンの一言を合図にする様にみんなは各々必要な物を持ってきたり細かい襲撃箇所の決定などを始めた。
用意を始めて二時間、日が沈みかけている時一番最初にロボロと鬱先生に進展があった。彼等はさっさとセキュリティの脆弱性を発見すると内部の情報を手に入れた様でそれを元に微調整していると、ドアが開いて少しくぐもった声が聞こえた。
「なぁお前らこれでええと思うか?」
そう呼びかけられたから振り向いてみると出入り口にはホッケーのマスクをつけてシャベルを担いで仁王立ちをしている誰かがいた。
『ｷﾞｬｧｧｧｧｧｧ‼え、誰⁉何?なんでここに某殺人鬼が居るの⁉』
急な登場に慌てふためいてしゃがみ込んで頭を手で守るガード体勢に入ると笑い声や手を叩く音が聞こえて頭を上げる。
何が起こっているか分からず出入り口を見てみるとそこにはホッケーのマスクを持ってお腹を抱えているシャオロン。
sya「ちょ、動きがクッソ速すぎて笑えんだけど」
tn「シャオロン、リアンやって…必死に頑張っとるんやから…笑ったらあかんやろ…」
『トントン!そう言ってくれるのはありがたいけどトントンまで笑ってたら意味ないじゃん‼』
そんな事を話していると何故かガスマスクがあるから顔を隠す物は要らない様なゾムまでもがホッケーのマスクをつけていて更に笑い声が上がる。
その時、コネシマが「俺のは⁉」とはしゃいでいたけれど彼の分だけ何故かどこで売ってたの?と聞いてみたくなるチワワに木が生えてるお面だった。
いや、本当にそれどこに売ってたの…コネシマも地味に気に入ってるし。それに、シャオロン…こんな時でもシャベル使うの⁉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月歩 - ラーシュさん» ありがとうございます!あのシーンは特にお気に入りでしたのでそう言って貰えると作者冥利につきます! (2020年3月31日 11時) (
レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
ラーシュ - 完結おめでとうございます！夢主君がemさんやrbrに止められているのに振りきって仲間を助けにいって重症を負うところで凄いハラハラさせられてしまいました！凄く面白い作品でした！！ (2020年3月31日 11時) (レス) id: 3d2f41f960 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - 白狐さんさん» ありがとうございます!個人的にはもう少し書き込みたかったのですが、楽しんで貰えて嬉しいです! (2020年3月31日 8時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
白狐さん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう、最っ高でした。5年前にトリップするっていう発想も勿論ですが、内容がギッシリ詰まってて読み応えのある楽しい作品でした！！ (2020年3月31日 8時) (レス) id: c1b876fff4 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - ふゆさん» ありがとうございます!主人公のキャラはかなり手探り状態でしたけどそう言って貰えて嬉しいです! (2020年3月24日 14時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月歩 | 作成日時：2020年3月12日 0時
