蟲柱の心境 ページ16
憎い憎い憎い憎い。
気が狂ってしまいそうだ。
目の前で申し訳なさそうに縮こまる彼女も、愛おしげに彼女を見つめていたあの男も、憎たらしくてしようがない。
鬼のくせに、柱のくせに、沢山の命を奪っていく立場のくせに、いっちょまえに人並みの幸せをつかもうだなんて、烏滸がましいこと許せない。
鬼は苦しんで苦しんで死ねば良い。
姉から、私から、沢山の人から幸せを奪っておいて、そんなことさせない。
お館様の言葉が無ければあんな雑魚すぐ殺してしまえたのに。
「あの…。」
「…なんでしょう。」
ああ腹立たしい、その一挙一動が癪に障って苛々する。
今すぐにでも息の根を止めてやりたい。
「もう大丈夫なんで…ご迷惑おかけして申し訳ありません。ありがとうございました。」
頭を下げられ、お礼を言われる。
毒気を抜かれた。
鬼と鬼殺隊という立場を気にして動揺しているのは自分だけの様で、私だけがぴりぴりし居心地を悪くする原因だと言う様に。
本当は分かってる。
彼女は人を食っていないと知っている。
鬼と言えど例外もあるんだと、悪鬼もいれば別の“何か”がいるのも分かっている。
ただわかっていても、怒りは収まる事は無い。
理解していても、憎しみが消える訳でもない。
この憤懣やるかたない気持ちをどこにしまえば良い?
やり場の無いこの気持ちを、持て余すほどの大きな憎悪はどうなる?
だから…貴女とは私仲良く慣れそうにない。
けれど私は優しくない。
腹の底に沢山の恨みを抱えて生きているから、今度あった時は_____
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あなや(プロフ) - 不死川さんかっこいいですもんね!更新頑張ります! (2019年8月12日 16時) (レス) id: 565d168dc0 (このIDを非表示/違反報告)
ハロハロ〜(プロフ) - 不死川実弥大好きなのでとても嬉しいですうううう!!この小説面白いです!更新頑張ってください!初コメ失礼いたしました! (2019年8月11日 21時) (レス) id: 409bd25d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あなや | 作成日時:2019年8月9日 13時