5話 ページ5
朝の満員電車に揺られて30分。
私は自分の会社に着く。
私の務めている会社は大手企業。
大きなビル丸々一個、この会社のものだ。
部署は人事部。
人材育成や、社員のケア、新卒採用。
どこの会社にもある一般的な仕事をこなすところだ。
「…おはようございまーす」
いつものように、社内に顔を出して挨拶をする。
私はいつもより少し低めの声色を出してしまったが、他の人たちは次々といつものように挨拶をしてくる。
良かった。どうやら気づかれていないらしい。
目元も少しはマシになったし。
今日ぐらいはごまかせるかな…
しかし、そのフラグは一瞬にして破壊されることになる。
自分の席についた途端、隣の席の後輩、たまちゃんが話しかけてきたのだ。
「先輩、おはようございます。どうされたんですか?少しお疲れ気味のようですね」
「おはよう…え、そんな風に見える?」
「はい。先輩はいつもハキハキ喋っておられますが、今日は元気がないように見受けられます。何かあったのでしょうか」
「…何もないよ?」
私が若干の笑顔を含ませてそう言うと、たまちゃんは数秒間黙って私を見つめると、…そうですか。と言って自分の資料作成に戻った。
たまちゃんは思ったことは何でも言う、素直な子だ。
加えてとっても美人だ。この子の担当になったとき、少し気後れしたほど。
あまり笑顔を見せないが、しっかり仕事もしてくれるし、覚えるのも早い。
新人教育も全く苦労をしなかった。
しかし思ったことは何でも言う性格なので、私の異変を目ざとく見つけ、質問してくる。
たまに、少し鬱陶しいと思ってしまう。
そんな私の思いとは裏腹に、たまちゃんは淡々と仕事を進めていた。
私もカバンからノートパソコンを取り出し、仕事をすることにした。
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なまたまご(プロフ) - ワンパンマン大好きさん» とっても嬉しいコメントありがとうございます!この小説を楽しんでもらえて嬉しいです! (2019年7月19日 13時) (レス) id: 4eb1927f69 (このIDを非表示/違反報告)
ワンパンマン大好き - 面白かった!別れようの時なかなか画面をスクロール出来なかった…(なんかドキドキしちゃう) (2019年7月19日 0時) (レス) id: bda1ec34af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なまたまご | 作成日時:2019年6月16日 15時