12話 ページ13
シャンデリアが煌びやかに光る店内。
光の反射で、妙さんの美しさがより際立っている。
私達は妙さんについて行き、スナックすまいるというキャバクラの店内に入った。お客は男性ばかりだ。
グラスが乾杯の掛け声に合わせて鳴る音や、ドンペリ!!ドンペリ!!と騒ぐ声。風俗店に足を踏み入れてしまったことへの罪悪感を一瞬感じたが、いやいやと思い直す。銀時なんか、毎日この店に入れ浸ってるのよ？私なんか安いもんよ。
強気で行かなきゃこの女性に負けてしまうと思い、私は気合いを入れ直す。席につき、一通りお酒をもらったところで、私は切り出す。
「坂田銀時がここに来てるって、本当ですか？」
「ええそうよ。毎日来て、私を指名するわよ？」
やっぱり…。
銀時は、この人に惚れてるんだ。
まさかと思っていたことを現実に突きつけられ、私の心は何かに破壊されたように傷んだ。
「と言っても、銀さんは別に私に惚れてここに来てるんじゃないのよ」
「え？」
私は思わず聞き返す。
どういうことよ？銀時は、妙さんに惚れてここに来てるんじゃないの？じゃあなんのために…
「銀時は、ここへ何しに来てるんですか？」
「相談事…かしら。内容は自分で聞いてみてちょうだい」
私、この人に弄ばれてる？
結局、銀時のしたいことは何なのよ。
これじゃ何もわかりゃしない。
すると、今まで黙って聞いていた沖田くんがいきなり口を開いた。
「彼女にも出来ない相談を、ここでしてるんですかィ？それも、アンタを指名して？アンタとその…銀時？はいったいどういう関係なんでィ。それくらい教えてくれたっていいでしょ」
彼女の裏を読むように、沖田くんは妙さんの瞳をじっと見つめる。妙さんはやれやれ、といった感じで答えた。
「本当はプライバシーに関わることはこの店で言っちゃいけない規則なんだけどね、しょうがないわ。高校の同級生よ。先日偶然再会したの」
高校の同級生…
数年間も付き合っている彼女にはなんにも話さず、高校の同級生には大事な相談をするんだ。
銀時って、そんな人だったんだ。
私は落胆して、席を立つ。
「…沖田くん、帰ろう」
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なまたまご(プロフ) - ワンパンマン大好きさん» とっても嬉しいコメントありがとうございます！この小説を楽しんでもらえて嬉しいです！ (2019年7月19日 13時) (
レス) id: 4eb1927f69 (このIDを非表示/違反報告)
ワンパンマン大好き - 面白かった！別れようの時なかなか画面をスクロール出来なかった…(なんかドキドキしちゃう) (2019年7月19日 0時) (レス) id: bda1ec34af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なまたまご | 作成日時：2019年6月16日 15時
