あなたの、サボリ場所。【沖田総悟】

サボリ。35 ページ36

Aside



···そういえば、と沖田さんが私に喋りかけてくる。注文も一段落し、少し疲れたのでお茶でも飲もうか、と思っていたところだった。まだ胸もドキドキしていて上手く話せないけど、おもむろに言葉をつづりだす。

　

『どうされました？』



沖「この前の、遊園地行くってやつ、どうする？」



『···ああ、どうします？』



一瞬忘れかけていた記憶を引っ張り出して、彼に応答する。




沖「一応俺は、今週の日曜非番なんでィ。そことか行けやすかィ？」



ちなみに雪乃屋は、毎週日曜日が定休日だ。だから、お店もやっていない。



『行けますよ！』



沖「分かった。大江戸遊園地のゲートの前で、10時集合ってことで」



『わかりました』



沖「あ、そういえば、土方のやろーが＿＿＿＿




沖田さんが話題を変えて、話はどんどん進む。
私もそれに相槌したり、時には笑ったり。
沖田さんと話していると、楽しい。
胸が、ポカポカする。
そう思うのが気のせいではないことを、もう私は知っていた。
初めにあった緊張もほぐれてきていた。






またふと思い出す、銀さんの言葉。







【お前、沖田君のこと、好きなの？】







…私は、好き、なのかな？沖田さんのことを？
そうか。もうすでに、この人に惹かれてしまっている。





心臓がドキドキしたのも、かっこいいと思えたのも、緊張するのも、全部、全部、私が沖田さんのことを好きだからだ。気のせいなんかじゃない。









もうずっと私は、沖田さんのことが、好きなんだ。

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